食育と健康診断
【第1回】 2014年10月17日 木村もりよ [医療法人財団綜友会理事・医学研究所所長]

食育と健康診断〈上〉
肥満と学力の関係
全国で一斉に行われる学校健康診断は世界的にも類を見ない制度

無関係ではない肥満と学力
学校種別で異なる傾向

 今回、健康診断のデータを調べてみて、過体重と偏差値に逆相関があるという結果が出ました。ただそれが、食育への取り組みによる差なのか、個人のモチベーションに関連するものなのかは定かではありません。

 もしモチベーションによる過体重率の低さが、学力(偏差値)と関係があるというのであれば、継時的な過体重の変化率(高校1年生から3年生まで)を調べることにより、その可能性の有無を判断する材料が提供されることになります。

 図は、子どもの肥満と学力の相関について示したグラフです。より詳しくは、「週刊ダイヤモンド別冊」2014年10月2日号の記事(62~65ページ)に譲りますが、ここではその結果について、かいつまんで述べていきます。 

 綜友会で健康診断を行っている都内の私立中学高校は62校あります。学力を示す指標として偏差値を利用しながら、健康診断結果で分析したところ、全体で過体重率(肥満度+10以上が全体で示す比率)と偏差値の間には中程度の逆相関が見られました。なお、対象校には中高一貫校も高校単独校もあるため、ここでは高校生の数値だけで比べてあります。

 つまり、学力が高いほど肥満の度合いは低い、という結果でした。個々の数値分布を見て行くと、より興味深い現状がうかがえます。

 まず男子校ですが、中位校から下位校では過体重率が25%前後なのに対して、難関校は20%を割っています。上下の差は10ポイント程度となっています。

 一方、女子校は過体重率が30%の学校から8%の学校まで開きが大きく出ました。難関校は概ね10%程度ですが、中位校から20%台が散見されるようになります。また、やせぎみを示す値は15%から31%まで倍近い開きがあります。こちらは必ずしも偏差値と相関している様子はなく、ミッションスクールで25%超の学校が多いことも考えると、校風の影響も考えられるかもしれません。 

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木村もりよ [医療法人財団綜友会理事・医学研究所所長]

1990年筑波大学医学群卒業。内科医。97年ジョンズホプキンズ大学MPH。米国CDCセンタ施設研究コーディネイター。2002年厚生労働省入省。14年より現職。


食育と健康診断

東京都内の学校を中心に定期健康診断を手掛けている医療法人財団綜友会の協力を得て、2回(前編・後編)にわたり、学校における「健康」という側面から、生徒にとって大切な「食育」のありかたについて考える。

「食育と健康診断」

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