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戦力不均衡、年齢詐称の問題も。高校スポーツから「外国人留学生」は締め出すべきか?

――高校スポーツ界における外国人留学生の功罪を考える

相沢光一 [スポーツライター]
【第39回】 2008年12月16日
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 駅伝、サッカー、ラグビー、総合格闘技…。年末年始はスポーツイベントが目白押しだ。 大不況の折、どこにも出かけないでテレビのスポーツ中継三昧と決めている人も多いだろう。これならお金もかからないし、熱戦に遭遇すれば選手たちから元気がもらえる。

 ところで、これらのスポーツイベントの中でも、高校生の大会は例年以上に「外国人留学生」が話題になりそうだ。

 まず21日に行われる全国高校駅伝大会。男子も女子も、最長区間の1区に外国人留学生を起用できなくなった。

 全国高校駅伝は京都・都大路を舞台に、男子は7区間 42.195キロ、女子は5区間 21.0975キロで行なわれる。最長区間は男女とも1区で、男子は10キロ、女子は6キロ。最長区間には各校ともエースを起用する。外国人留学生(主にケニア人)を擁する高校も当然、そうしてきた。

外国人留学生の起用で
駅伝強豪校となった仙台育英

 全国高校駅伝に初めて外国人留学生が登場したのは1992年。留学生を受け入れ、出場させたのは宮城・仙台育英である。同校はそれまでさほど目立った成績を残していなかったが、翌93年には男女とも2人ずつの留学生を起用し、彼らの圧倒的な力で初優勝した。

 女子は翌94年も優勝したが、男子はその後、上位には入るものの優勝から遠ざかる。仙台育英の外国人留学生の圧倒的強さとアベック優勝の結果を目の当たりにした競技関係者から、外国人留学生の力に頼って全国優勝するのはおかしいという声が噴出、94年、全国高校体育連盟(高体連)は「外国人留学生の参加はエントリー人数の20%以内」という規定を作ったからだ。

 なぜ人数制限ではなく「20%以内」という規定になったかというと、他の競技でも外国人留学生が出場するケースが増えており、エントリー数が異なる全競技に該当させる必要があるからだ。

 というわけで、全国高校駅伝に出場できる外国人留学生は「男女とも1人ずつ」になった。外国人頼みで日本選手のレベルが追いついていなかった仙台育英は、総合力で勝る強豪校に勝てなくなったのである。

 しかし、仙台育英は日本人選手の底上げを図り、99年に2度目の優勝を勝ち取る。その後は03年から05年に3連覇するなど圧倒的な強さを誇るようになった。

 北京オリンピックの男子マラソンを大会新の好記録で制したサムエル・ワンジルも仙台育英の留学生だった。2年生当時の03年は1区、3年生当時の04年は3区を区間最高記録で走り、優勝に貢献した。とくに04年に同校が出した2時間1分32秒の大会記録は今も破られていない。ワンジルだけでなく他の6人の日本人選手の実力が伸びたからこそ作ることができた記録だ。

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相沢光一 [スポーツライター]

1956年埼玉県生まれ。野球、サッカーはもとより、マスコミに取り上げられる機会が少ないスポーツも地道に取材。そのためオリンピックイヤーは忙しくなる。著書にはアメリカンフットボールのチーム作りを描いた『勝利者』などがある。高校スポーツの競技別・県別ランキングをデータベース化したホームページも運営。 「高校スポーツウルトラランキング」


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