ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
宅森昭吉の景気の「気」を読む

12月の総選挙、
経験則上は景気拡張局面を示唆

宅森昭吉 [三井住友アセットマネジメント理事・チーフエコノミスト]
【第16回】 2014年11月27日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

「逆転」で、一時は無くなったはずの今夏のエルニーニョ現象が、6月から発生していたことになるかもしれない。足元の基準値偏差動向からは定義上ぎりぎりでエルニーニョ現象が成立しそうだ。10月に続き11月前半の百貨店売上は芳しくなさそう。
消費税の悪影響は、かなり薄れたものの、エルニーニョ現象の影響もあり、天候要因が依然足枷となっているようだ。だが、12月総選挙は経験則上、景気拡張局面を示唆する。景気基調判断も早ければ1月9日に「逆転」で景気拡張局面を示す「改善」になりそうだ。

「逆転」で今年6月から
エルニーニョ現象が発生か

 今年は6月からエルニーニョ現象が発生していたことになるかもしれない。

 10月31日の日本銀行の「量的・質的金融緩和」の拡大、11月18日に安倍総理が消費税率の10%への引き上げを1年半先送りした上で、衆議院を11月21日に解散することを表明するなど、サプライズが続いているが、11月10日に気象庁が発表した「エルニーニョ監視速報」も、今夏、エルニーニョ現象が発生していたことになるかもしれないことを示唆する、以下のような、驚きの内容だった。

●東部太平洋赤道域の海面水温が再び平年より高くなり、エルニーニョ現象の状態に近づいたが、依然としてエルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態が続いている。
●今後、平常の状態が続く可能性もあるが、冬にはエルニーニョ現象が発生している可能性がより高い。
●今後の状況により、エルニーニョ現象がこの夏から発生していたと判断する可能性もある。

 エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米のペルー沿岸にかけての広い海域で海面水温が平年に比べて高くなり、その状態が1年程度続く現象だ。この現象が発生すると日本では冷夏や暖冬になりやすく景気にも影響する。

 4月10日発表の「エルニーニョ監視速報」では「夏には5年ぶりにエルニーニョ現象が発生する可能性が高い」とされた。エルニーニョ現象が発生すると経験則上、冷夏になる可能性が大きく、夏物への消費需要が鈍るなどエルニーニョ現象発生で、景気へのマイナスが懸念された。

 しかし、7月10日の「エルニーニョ監視速報」で、今夏に5年ぶりの発生が予想されていたエルニーニョ現象について「秋に発生する可能性が高い」との見通しに変わった。エルニーニョ現象は、東風が弱まって暖水の移動が滞り、ペルー沖の水面温度が高くなって発生する。6月上旬~中旬に発生した中部太平洋の水深100~200メートル付近の冷水が東に移動して、南米ペルー沖の暖水と混ざり、海水温の上昇が当初の予想より抑えられる見通しとなったため発生時期が後ズレすることになった。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

宅森昭吉 [三井住友アセットマネジメント理事・チーフエコノミスト]

たくもり・あきよし/三井住友アセットマネジメント 理事・チーフエコノミスト。1957年東京生まれ。1980年3月慶應義塾大学経済学部卒業、同年4月三井銀行(現、三井住友銀行)入行。調査部、市場営業部などを経て94年11月さくら証券チーフエコノミストに。2001年4月さくら投信投資顧問チーフエコノミスト、02年12月三井住友アセットマネジメント、チーフエコノミスト、12年4月1日より現職。主な著書に『ジンクスで読む日本経済』(東洋経済新報社)、「日本経済『悲観神話』はもういらない」(中央公論新社)など。内閣府「景気ウォッチャー調査研究会」委員、日本経済研究センター「ESPフォーキャスト調査委員会」委員、景気循環学会・常務理事も務める。


宅森昭吉の景気の「気」を読む

景気を決めるものは何でしょうか。消費動向、企業の設備投資、海外の経済状況……。いろいろありますが、大切なのは景気の「気」。三井住友アセットマネジメント理事・チーフエコノミストの宅森昭吉さんが、難しい経済指標だけではなく、プロ野球の日本シリーズの組み合わせ、ヒットしたテレビドラマ、天候などなど、社会の森羅万象の動きから、景気の現在とこれからを読み解きます。

「宅森昭吉の景気の「気」を読む」

⇒バックナンバー一覧