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岸博幸のクリエイティブ国富論

安倍解散会見から見えた総選挙の本当の論点

岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]
【第282回】 2014年11月21日
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相変わらず不明な選挙の大義名分

 18日夜、安倍首相が衆議院解散表明を行った記者会見。みなさんは12月の総選挙の“大義名分”がお分かりになられたでしょうか。私は、以下の2つの点から相変らずその“大義名分”を理解することができませんでした。

 第一に、7~9月の成長率がマイナスであった以上、法律の景気条項に基づいて政治の裁量で消費再増税を淡々と延期すれば良いのであり、それを選挙で国民に問う必要はないからです。

 第二に、アベノミクスの是非を国民に問うというのも未だによく分かりません。アベノミクスは金融緩和・財政出動という短期の経済運営と成長戦略という長期の経済運営という、教科書的に当たり前の経済運営を行なっているに過ぎず、+αの足りない部分を議論するならともかく、その是非自体は問う必要もないからです。

安倍首相は経済運営の退路を断った

 しかし、安倍首相の会見から、少なくとも選挙戦を通じて与野党にしっかりと議論してもらいたい論点だけは明確になりました。それは、正しい経済運営を行なえる体制を構築できるかということです。

 その理由は、安倍首相が“2017年4月には必ず消費税を10%にし、景気条項も付さない”と断言したからです。この発言はある意味で非常に思い切った発言であり、安倍首相自ら経済運営について退路を断ったとも言えます。

 というのは、今の金融緩和のペースが続けば、2017年4月より前には物価上昇率が2%を超えている可能性が高いと考えられるからです。

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岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]

1986年通商産業省(現経済産業省)入省。1992年コロンビア大学ビジネススクールでMBAを取得後、通産省に復職。内閣官房IT担当室などを経て竹中平蔵大臣の秘書官に就任。不良債権処理、郵政民営化、通信・放送改革など構造改革の立案・実行に関わる。2004年から慶応大学助教授を兼任。2006年、経産省退職。2007年から現職。現在はエイベックス・マーケティング株式会社取締役、エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社顧問も務める。

 


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