欧州や中東からも近いトルコは、世界第6位の観光客数を誇る観光・文化大国だ

中東の大国トルコは、実は世界に冠たる観光大国であり、テレビドラマの輸出でも世界第2位であることをご存じだろうか。

世界第6位の観光大国

 シリアやイラクにおける「イスラム国」の勢力拡大と、それに対する米国と有志連合による空爆など、周辺国の地政学的リスクの高まりに伴い、経済的な影響が危惧されているトルコだが、一方では今年は観光業が好調となっている。

 もともとトルコは地理的に近い欧州や中東からの観光客が多く、世界観光機関(WTO)によると、2013年(暫定値)の観光客数では世界6位(※1)となるなど、観光業は主要産業の一つとなっている。これに対して、日本は近年海外からの観光客が増えているとはいえ、27位(アジアでは8位)とトルコには及ばない。

 トルコ文化観光省によると、今年1~10月までにトルコを訪問した外国人観光客数は3300万人を超え、前年比+5.6%の伸びとなっており、今年は観光客数が過去最高を記録することも期待されている。また、外国人観光客の増加に伴い、観光収入も増加している。特に夏季の旅行シーズンの好調を受け、1~9月までに前年比+8.5%の266億ドルを稼いでいる。

 同じく日本の場合は、1月~10月までの外国人観光客は1101万人(前年比27.1%増)、1~9月の観光収入(旅行収支受取)の累計は、1兆3792億円(約125億ドル、前年比+28.1%)となっている。

(※1)世界観光機関(WTO)「Tourism Highlights 2014 Edition日本語版 」