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嫌われる勇気──自己啓発の源流「アドラー」の教え
【第22回】 2014年12月25日
著者・コラム紹介バックナンバー
古賀史健,岸見一郎 [哲学者]

われわれは承認欲求から
逃れられるのか?
岸見一郎×古賀史健  刊行1周年記念著者対談【後編】

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累計58万部を突破し、2014年最大の話題作となった『嫌われる勇気』。前編では、この時代にアドラーが受け入れられた理由や、岸見氏・古賀氏がアドラーの思想に出会った経緯などについて語ってもらった。後編では、ビジネスパーソンにとってのアドラー心理学について、議論が進んでいく。(聞き手:柿内芳文)

企業はアドラーに
なにを求める?

──『嫌われる勇気』が世に出てからの1年間、講演会や取材の機会も多かったと思うのですが、特に印象的な変化などはありましたか?

岸見 この本の刊行前と後では、企業からの講演依頼が急増したことが、最大の変化だと思います。

古賀史健(こが・ふみたけ)
ライター/編集者。1973年福岡生まれ。1998年出版社勤務を経てフリーに。これまでに80冊以上の書籍で構成・ライティングを担当し、数多くのベストセラーを手掛ける。臨場感とリズム感あふれるインタビュー原稿にも定評があり、インタビュー集『16歳の教科書』シリーズは累計70万部を突破。20代の終わりに『アドラー心理学入門』(岸見一郎著)に大きな感銘を受け、10年越しで『嫌われる勇気』の企画を実現。単著に『20歳の自分に受けさせたい文章講義』がある。

古賀 いま企業の方々はアドラー心理学になにを求めているのでしょう?

岸見 やはり対人関係ですね。たとえば「若い社員との接し方がわからない」「最近の若手は、少し怒るとすぐに会社を休むようになる」「かといって、甘い顔をしていると図に乗ってくる」といった相談はよく受けます。

古賀 どちらかというと管理職の方が困っている感じなのでしょうか。

岸見 管理職も若手社員も、対人関係に悩んでいるという意味では同じでしょう。アドラー心理学の特徴のひとつとして「話す相手を区別しない」という側面があります。これは管理職向けの話、こっちは新入社員向けの話、あれは経営者向けの話、といった区別がなにもないのです。誰に対しても、同じように同じことを話します。もちろん、事例などはその場に応じて使い分けますが。

古賀 よくある「リーダーのための人心掌握術」みたいなものは、アドラー心理学の対極にある考え方ですよね。

岸見 はい。アドラー心理学は、他者を変えるための心理学ではないし、ましてや他者を操作するための心理学ではない。変わることができるのは、自分だけです。

古賀 だからこそ、経営者にも新入社員にも同じ話をする。

岸見 これは、アドラーのいう「横の関係」ともつながる話です。

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古賀史健 (こが・ふみたけ)

 

ライター/編集者。1973年福岡生まれ。1998年出版社勤務を経てフリーに。これまでに80冊以上の書籍で構成・ライティングを担当し、数多くのベストセラーを手掛ける。20代の終わりに『アドラー心理学入門』(岸見一郎著)に大きな感銘を受け、10年越しで『嫌われる勇気』の企画を実現。

 

岸見一郎[哲学者]

きしみ・いちろう/1956年京都生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。専門の哲学(西洋古代哲学、特にプラトン哲学)と並行して、1989年からアドラー心理学を研究。精力的にアドラー心理学や古代哲学の執筆・講演活動、そして精神科医院などで多くの“青年”のカウンセリングを行う。日本アドラー心理学会認定カウンセラー・顧問。


嫌われる勇気──自己啓発の源流「アドラー」の教え

フロイト、ユングと並ぶ心理学界の三大巨頭とされながら、日本では無名に近いアルフレッド・アドラー。彼はトラウマの存在を否定したうえで、「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と断言し、対人関係を改善する具体策を示してくれます。まさに村社会的空気のなかで対人関係に悩む日本人にこそ必要な思想と言えるでしょう。本連載では、アドラーの教えのポイントを逐次解説することでわかりやすく伝えます。

「嫌われる勇気──自己啓発の源流「アドラー」の教え」

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