Q.日本マクドナルドが異物混入問題や業績不振などで揺れているですが、堀江さんは問題の根底がどこにあると思いますか。もし経営陣のひとりだったら、まず何から手を打っていきますか。

世界の潮流は高い商品力、つまり旨いことだ
安いだけでは客は戻ってこない

A.世界的な流れとして、安さ一辺倒から脱却しようというハンバーガー業界の大変革が全世界で進んでいることを理解することが、第一歩でしょう。

 そして、そこで働く従業員、いわゆる“名ばかり店長”も含めてですが、彼らの働くモチベーションを改善することが何より重要です。

 例えば、アメリカの西海岸で勢力を伸ばしている「In-N-Out Burger(インアンドアウトバーガー)」というハンバーガーチェーンは、マクドナルドよりも価格は高めですが、従業員のモチベーションを高く保つ工夫を凝らし、業績も好調です。

 また、ニューヨークなど東海岸では「Shake Shack(シェイク・シャック)」というハンバーガー店が、タルタル状の牛生パティを店内で調理するプレミアムバーガーが人気で、価格帯は5~6ドル程度と決して安くはありませんが、勢力を伸ばしています。

 日本マクドナルドの異物混入問題は、海外の安い労働力に依存した低価格路線の限界を示していると思います。途上国への外注による廉価品中心の時代は、それで勝負が可能でしたが、いまやそれが困難になっているのです。

 従って、施策としては低価格に拘泥するのではなく、値段は少々高くて味や素材などの商品力そのもので勝負する業態に脱皮し、一方では従業員の労働意欲を高めるような施策を打ち出すべきでしょう。

 短期的には業績へのマイナスインパクトもあるかもしれませんが、それでも道はそれしかありません。