昨日(3月31日)、自民党の勉強会に呼ばれた。会合は、衆議院本会議直前、自民党本部で開かれた。内容は、世襲制度の禁止について、筆者に話をしてくれというもの。二世政治家が少なくない自民党でのこうした動きは、これまでにはなかったと記憶している。

 主催は「自民党を刷新する第三世代の会(仮称)」。柴山昌彦氏、早川忠孝氏、松浪健太氏らが中心の勉強会の設立準備会である。会議冒頭、代表世話人のひとりである松浪氏がこう語った。

 「現在のままでいれば、自民党の明日はない。私たちは先鋭的に提言するのではなく、実行していく。そうした党の刷新のためにはタブーを恐れず、なんでも話し合っていきたい。こうした会合への上からの圧力には決して屈せず、横からの誘惑にも負けず、内からの流血も厭わない。そうした決意でやっていくつもりです」

 講演とはいうものの、後半は、フリーディスカッションに近く、スピーカーの筆者にとっても有意義なものになった。

自民党の半数が二世では
党の活力も減退する

 まず「地盤・看板・かばん」の三バンに触れていく中で、二世議員の占める割合の多さについて改めて驚きを共有した。自民党内には三親等までを「世襲」と呼ぶ、という暗黙のルールがあるようだが、個別ケースによってそれはまったく違うようだ。

 たとえば、呼びかけ人のひとり、松浪健太氏自身も、松浪健四郎氏の甥である。後藤田正純氏や野田聖子氏も完全な世襲とはいいづらいのかもしれない。なにしろ親が地方政治家や首長は、世襲政治家にカウントされていない。そうした二世を含めれば、永田町の「二世政治家」は今よりももっと多いはずだ。

 それはともかく、会合でも、世襲が確実に日本の政治を蝕んでいるという筆者の認識に対して異論はわずかだった。それは、自民党という政党の活力の減退ともまったく無関係とは思えない。

 いまや自民党の実に半数近くが世襲か二世議員である。勉強会の出席者にも世襲議員がいる。代議制民主主義において、国民の利益や意見の表出は、代議士や議員を通じて行なわれる。そのための選挙であり、国会なのである。その立法府の3割以上が世襲で占められ、最大与党の約半数が「二世」であるというのは、さすがに党の活力を殺いでしまうという不安も無理なきことだろう。