「営業をやりたくない」という人は残念ながら多く存在します。「頭を下げたくない」「断られるのが嫌だ」「そもそも、営業をやりたくて社会人になったわけじゃない」などさまざまな理由があげられます。そんな気持ちがある営業マンだからこそ、成果につながらない仕事はとことんきって、効率的に仕事ができます。キーワードは「やめる、すぐやる、さきをよむ」。今回は、「やめる」より、営業マンが最初にぶつかる壁を取っ払っていきましょう。
新刊『営業が死ぬほど嫌いでもラクに結果を出せる36のコツ』の著者・嶋津良智氏による連載第4回。

悩みすぎてもしょうがない
一歩踏み出す勇気を持つ

 仕事をしていれば誰もが悩みを抱えることはあります。

 新人時代の私の悩みといえば、ずばり「仕事がイヤだ」でした。

 男性であれば、若い頃に女性をナンパした経験がある人は多いかもしれませんが、私はナンパなんてできない性格です。もともと人見知りが激しくあがり症でしたし、断られて恥をかくことに対する恐怖感があったからです。

 営業マンになってからも同様に、「断られる=恥をかく(傷つく)」と考えているところがありました。

 思い出すのは新人研修を終えて支社に配属され、3日間先輩について同行営業をした後、初めて一人での営業活動をスタートした日のことです。

 電車に乗って担当する町まで行き、最初の飛び込み先である釣具屋さんの前に着きました。しかし、店の前をウロウロするだけで、なかなか踏ん切りがつかない。

「ひとまず作戦会議だ」と自分に言い訳して、先輩の教えを書いたメモを見ながら、どんなふうに飛び込んでいくかシミュレーションを繰り返し……そうしているうちに3時間が過ぎ、1軒も飛び込めないままお昼になっていました。

 当時その会社では、同じ課の営業メンバーは昼ご飯を一緒に食べる習慣がありました。そこで上司に「どうだった?」と聞かれ、「飛び込めませんでした」とは恥ずかしくて言えず、「何軒か飛び込みました」とウソをつきました。しかしいろいろと突っ込まれて、答えにしどろもどろになったのを覚えています。