運動を続けることで、心臓に負担がかかりにくい体となる。手術後の心臓リハビリテーションは、入院で低下した体力の回復だけでなく、運動習慣を身に付け、再発による再入院を予防する。心臓リハビリテーションの実例と効果をダイヤモンドQ編集部が紹介する。
狭心症や心筋梗塞の治療後は「心臓リハビリテーション(以下、心臓リハビリ)」を受ける。
心臓リハビリとは、入院した患者がベッドから起きて、病院内を歩けるようになったら、運動療法(有酸素トレーニングや筋力トレーニング)や食事療法、生活指導を受けること。リハビリテーション担当医が患者ごとに必要なプログラムを組み、看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・管理栄養士などが指導する。
目的は、狭心症や心筋梗塞の原因となる動脈硬化の進行を抑え、再発による再入院を予防すること。生活習慣を改善し、健康的なライフスタイルを確立するきっかけをつくる。
特に、有酸素運動は心肺機能(心臓や肺の働き)を高めることが知られている。埼玉医科大学国際医療センター心臓リハビリテーション科の牧田茂病院長補佐は「有酸素運動をすることで、より多くの酸素が取り込まれ、筋肉に効率よく血液を送り出せるようになります」と説明する。
日本循環器学会の報告によれば、有酸素運動を行うと、最高酸素摂取量は15~25%増加する。このように、心拍数が少なくても血液の流れが良いときには、血圧を正常値範囲内に保つことができる。