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石井苗子 心がラクになるストレスコントロール
【第7回】 2008年1月23日
著者・コラム紹介バックナンバー
石井苗子 [東京大学客員研究員・女優・精神カウンセラー]

「認知」ができれば、
ストレスコントロールもうまくいく
自分の状況を「把握」し、「課題を設定」する

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 今回は、ストレスと「認知」の関係についてお話をします。いきなり「認知」と言われても、ピンとこない方が多いかもしれません。日常生活では馴染みが薄いこの「認知」という言葉は、もともと心理学の専門用語で、ストレスの「コーピング」(対処)と強い結びつきがあり、その意味で、ストレスコントロールには重要な言葉とされています。

 前回(第6回)、私が「コーピングの訓練」のところで一番大事だと言ったことを思い出してください。「嘆かないこと」でした。「ストレスにどう対処(コーピング)するか」は、まず嘆かないことから始める。嘆かずに、落ち着いて、するべき事を整理してからその先を考える。するべきことを整理するためには、自分の置かれている状態や、周囲の状況などを、正確に知らなくてはなりません。これを「認知している」と心理学では言います。「コーピングの訓練」は、認知から始めます。

 心理学では「認知」は、第1段階・第2段階とあって、訓練もひとりで出来ることなので、次のようにやってみてください。

「認知」の第1段階――「把握」

 すばり「自分にストレスを与えているストレッサーを正確に知っていますか」です。これができていないことを「把握が低い」と言います。把握が低ければ、コーピングはできませんし、その先のストレスコントロールの効果も出てきません。

 把握には、「洞察力」という、人間の感覚機能を使います。あらゆることが頭の中でぐちゃぐちゃになって、身の回りに起こるすべてがストレッサーのように見えている時は、感覚機能が鈍っていて、洞察が全くできてない状態です。

 洞察力を強めるには、どんな些細なものでもよいですから、ストレッサーと感じるものを、メモにして書き出していくことから始めます。周囲で嫌だと感じるものを、吐き出すようにメモしていくのです。何日かけてもいいのです。じっくり書き出していきます。そうすることで、「洞察力」がついていきます。

 嫌な人の名前でもいいですが、名前のメモだけではダメです。その人の何のどこが嫌だと思うのか、例えば「何さんの言ったナニナニという言葉が、ずっと心にひっかかって残っている」といったように。ここで、「あーメンドクサ!」となったり、「そんなことしたら、ますます落ち込むじゃない」と思ったりするのは、心が落ち着いていない証拠です。嘆かず、真剣に、真面目に、書き出していってみてください。

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石井苗子 [東京大学客員研究員・女優・精神カウンセラー]

上智大学卒業後、同時通訳、「CBSドキュメント」初代女性キャスター等を経て、女優として映画、テレビドラマに多数出演。97年聖路加看護大学に学士入学、看護師・保健師の資格取得後、東京大学大学院に進学。2007年、医学系研究科健康科学 生物統計学疫学・予防保健学分野で博士課程を修了後、東京大学医学部客員研究員に就任。


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都内の心療内科でカウンセラー修業を積んだ石井苗子が、そこで見聞きしたことや自身の経験を踏まえながらストレスコントロールの方法を易しく説く。

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