叱責する女性写真はイメージです Photo:PIXTA

上司のパワハラや、SNSでの理不尽な中傷。そんなストレス源が身の回りにあるのに、我慢している人は少なくない。だが、本当に大事なのは「傷つきを我慢すること」ではなく、「傷つかない距離をとること」だ。現場で悩んできた心理師が、ストレス源から戦略的に離れる技術を紹介する。※本稿は、伊藤絵美『自分にやさしくする生き方』(筑摩書房)の一部を抜粋・編集したものです。

あなたの職場や家庭やSNSは
安心で安全な環境か?

 安心安全を確保する最初のステップは、安全な環境に自分の身を置くことです。もちろん100パーセントの安全が保障される環境など、この世のどこにもありませんから、ここは相対的に考え、「自分にとって比較的安全だと思える環境に身を置く」ことだと理解してください。

 あるいは、「自分にとってより危険の少ない環境に身を置く」というように言い換えてもよいでしょう。さらには「自分にとってより居心地の良い環境に身を置く」というふうに言い換えることもできます。

 それは具体的には、住居だったり、家庭だったり、職場だったり、学校だったり、近隣のある場所だったり、もしくは文化だったり、種々の人間関係だったりします。

 具体的には、「自分にとって比較的安全で、危険がより少なく、居心地のよい住居で暮らす」、「自分にとって比較的安全で、危険がより少なく、居心地のよい家庭環境に身を置く」、「自分にとって比較的安全で、危険がより少なく、居心地のよい職場生活や学校生活を求める」、「自分にとって比較的安全で、危険がより少なく、居心地のよい近隣を求める」、「自分にとって比較的安全で、危険がより少なく、居心地のよい文化のなかで生活する」、「自分にとって比較的安全で、危険がより少なく、居心地のよい人間関係のなかで過ごす」ということです。