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水もすすぎも不要の携帯歯ブラシまで発売!
老舗コルゲートの枯れない“知恵の泉”

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第44回】 2009年5月20日
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 アメリカのドラッグストアーやスーパーの歯磨き売り場には、圧倒されるものがある。100は軽く超える種類の歯磨きが並んでいるからである。

 アメリカ人は、「白い歯」や「歯並びの良さ」に対してこだわりが強いが、それでもこれだけの種類の歯磨きの違いを見分けられる消費者が、いったいどのくれいいるのだろうか。市場飽和――この言葉は、まさに歯磨きのためにあるようなものだ。

 ところが、この成熟した市場で衰えぬ勢いを保っているのが、歯磨きの国民的ブランド「コルゲート」を製造するコルゲート・パームオリーブ・インダストリー社である。

 勢いは衰えぬばかりか、この不況にあって利益を増やし、新製品を発表し、新興国市場でも邁進し続けている。

 同社の2009年第1四半期の利益は、前年同期より9%アップして、5億790万ドルとなった。大規模なコストカット、製品イノベーション、そして製品の値上げを通じて達成した数字だ(但し、売上げはドル高の影響を受け、前年同期比で5.5%減の35億ドル)。消費者が徹底した買い控えをし、棚に買いだめしてある商品から使おうとしている最中、同社は市場への対応を微調整しながら生き残りを探っている。第2、第3四半期も期待に沿った業績が上げられると、同社は自信満々だ。

 コルゲートが成熟市場を生き延びた最大の理由は、歯磨きメーカーから「口内ケア」企業へとポジションを変えたことである。もう一度、スーパーの売り場に戻ってみよう。

 同社の主要製品歯磨きだけでも、30を超える製品が棚に並んでいる。人気の「トータル」シリーズは、ホワイトニング効果のあるもの、息をフレッシュする効果の高いもの、強烈なミントの清涼感のあるものなどがそろっている。その他にも、エナメル質を守るもの、歯石除去効果の高いもの、ゼリー状のものなど、細かな特徴を売りにする同社の商品が羅列されている。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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