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商品市場透視眼鏡

開発下火でも生産減に直結せず
油価左右するシェールの動向

芥田知至 [三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員]
2015年2月25日
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 石油サービス会社ベーカー・ヒューズが毎週金曜日に公表している米国の石油掘削設備(リグ)の稼働数の統計が、原油相場を変動させる材料になっている。

 この統計が注目されるのは、シェールオイルの生産動向を探る手掛かりになるからだ。世界の原油需給を考える上で、米国のシェールオイルの生産動向が重要視されている。

 米国のリグの稼働数は、2月13日に1056基と直近のピークであった昨年10月10日の1609基と比べると、3割以上も減少している。特に1月30日や2月6日には、リグの稼働数の減少を受けて、原油相場が大幅に上昇した。

 もっとも、リグは、原油を採掘する油井を掘削するために用いられ、油井が完成すればそこから移動される。つまり、リグの稼働数は、油田の開発状況を示すものであって、油田からの原油の生産状況を示すものではない。

 リグの稼働数が増減しても、それが原油生産量に影響を及ぼすまでには時間がかかるとみた方が良い。また、リグによっていったん開発された油井では、原油価格が採掘に掛かるコスト(オペレーティングコスト)を上回っているうちは、原油生産が継続されることが普通だろう。

 シェールオイルの油井では、資本コストや適正な利潤を含めた総コストは、1バレル当たり60~80ドル程度のものが多いとされるが、オペレーティングコストは10~20ドル程度が多いとされる。現在の原油価格は、新規に油井を開発するには安過ぎるが、すでに開発された油井を止めるほど安くはない状況とみられる。

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