男女のコミュニケーションのすれ違いを題材に、自分とは異なる考え方をする相手との話し方を説いた『察しない男 説明しない女 男に通じる話し方 女に伝わる話し方』が18万部を超えるヒットを記録している。誰しもが思わず「あるある!」と言ってしまう男女の行き違いに留まらず、具体的な「伝え方」のスキルも身に付く本書の著者であり、キャリアカウンセラーの肩書も持つ五百田達成(いおた・たつなり)氏にヒットの秘訣を聞いた。

男はノリノリの時に女をほしがる
女はどん底の時に男をほしがる

――『察しない男 説明しない女』には、誰もが思い当たる節のある「男女あるある」が37も並んでいて、読んでいて少し辛くなりました(笑)

五百田 男性からそういった感想を頂くことが特に多いですね。今回の本は「男女はなぜ言葉が通じないのか」という私が生まれてこの方ずーっと41年かけて考えてきたテーマなので(笑)、次から次に出てくるトピックを厳選しました。

『察しない男 説明しない女』
定価:1300円(税抜)
ディスカヴァー・トゥエンティワン

――特に秀逸だと思ったのは「男はノリノリの時に女をほしがる・女はどん底の時に男をほしがる」というものです。

五百田 やっぱり基本的に男性は、恋愛よりも仕事を重要視する生き物だと思うんです。仕事での成功が自己肯定感を高めて、その有り余ったエネルギーが女性へと向かう。
 一方で女性にはお姫様願望というか、「恋をすることで苦境から脱したい」という欲求があります。恋愛相談を聞いてくれた男友達と付き合ったり、仕事がうまくいかないときに付き合った彼と結婚して寿退職……みたいなケースがありますね。

――仕事が上手くいってないと恋愛も上手くいかない、というのは男の私にはよく分かる気がします。

五百田 絶不調でしょげた男をみると、女性は世話を焼いてあげがちですが、実は男は調子が悪いときの自分が好きじゃないんです。バンドマンやタレントが下積み時代に支えてくれた奥さんと簡単に別れてしまうのもこのためだと思います。