ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
ロシアから見た「正義」 “反逆者”プーチンの挑戦

“手段”に過ぎない憲法改正が“目的”になる危うさ

北野幸伯 [国際関係アナリスト]
【第11回】 2015年3月2日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 安倍総理が、念願の「憲法改正」を実行しようとしている。総理は2月20日の衆院予算委員会で、憲法改正について、「国民投票にかけようか、発議をしようかというところに至る最後の過程にある」と語った。

憲法改正に意欲を見せる安倍総理。国家にとっての「正しい目的」が何かを、改めて考え直していただきたい    Photo:ロイター/アフロ

 これを聞いて、「いよいよここまで来たか!」とワクワクしている人もいるだろう。逆に「日本は、また『戦争できる国』になるのか!」と嘆いている人もいるだろう。

 筆者の思いは、もう少し複雑である。筆者は、終戦直後に米国がつくった「米国製日本国憲法」を神聖視していない。できることなら、「改正」どころか、日本人の手で「自主憲法をつくれ!」とすら思う。しかし、そう単純にいかないのが、国際社会の複雑さだ。今回は、この難問、「憲法改正」について考えてみよう。

「正しい目的」を忘れたときに
起こる“悲劇”

 全然関係ないような話からはじめる。月収30万円のAさんは、一念発起して「月収を100万円にする!」と決意した。期限は、「3年後の12月31日」。Aさんは、「目標」を設定したのだ。

 ところで、Aさんは「なんのために」月収を100万円にしたいのか?これが、「目的」である。たとえば、それは「家を買うため」かもしれない。家を買うのは、「月収100万円」の「目的」であると同時に、「目標」でもある。さらに突っ込んで、「なんのために家を買いたいのか?」と質問してみる。すると、「家族がより幸せに暮らせるため」と答えた。これが、Aさん「究極の目的」であり、「正しい目的」である。Aさんは片時もこのことを忘れるべきではない。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

北野幸伯 [国際関係アナリスト]

きたの・よしのり/1970年長野県生まれ。モスクワ在住24年の国際関係アナリスト、作家。その独特の分析手法により、数々の予測を的中させている。1996年、日本人で初めて、ソ連時代「外交官・KGBエージェント養成所」と呼ばれたロシア外務省付属「モスクワ国際関係大学」(MGIMO)を卒業(政治学修士)。1999年創刊のメールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」は現在読者数3万6000人。ロシア関係で日本一の配信部数を誇る。主な著書に「隷属国家日本の岐路」(ダイヤモンド社)、「プーチン最後の聖戦」、「日本自立のためのプーチン最強講義」(共に集英社インターナショナル)など。


ロシアから見た「正義」 “反逆者”プーチンの挑戦

ウクライナ問題などで欧米に楯突き、“反逆者”となったプーチン・ロシア大統領。しかし、ロシア側から物事を眺めれば、ウクライナ問題で暗躍する欧米側の思惑など、日本で報道されている“事実”とは異なるものが見える。気鋭の国際関係アナリストがモスクワから、欧米vsロシアの真相を解説する。

「ロシアから見た「正義」 “反逆者”プーチンの挑戦」

⇒バックナンバー一覧