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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

足踏み世界経済が頼りにする米国の「もやもや感」

――高田創・みずほ総合研究所チーフエコノミスト

高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]
【第164回】 2015年3月4日
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2015年の世界の成長は足踏み、
期待は日米の改善

 図表1は、みずほ総合研究所が四半期ごとに改訂している『内外経済見通し』をまとめた、世界の成長率の展望である。2014年の日本の成長率を振り返れば「期待外れ」が続き、まさに「我慢の局面」であった。すなわち、2014年4~6月期、7~9月期と2期四半期連続のマイナス成長では、景気後退局面とされかねない状況だった。

 グローバルにも「長期停滞論」が根強く語られ、世界的な減速不安が原油価格の暴落につながった。その結果、米国以外の国々が軒並み金融緩和に走る異例な金融環境となった。

 ただし、今年2月16日に発表された日本の2014年10~12月期のGDPが3四半期ぶりのプラス成長になり、ようやく2014年の短期的な減速の底入れが確認できる状況になってきた。世界的には足踏み状態であり、米国の回復に過度に依存する不確実性を抱えるが、日本経済は「トリプルメリット」で2015年にかけての見通しが予想以上に改善しやすい状況にあると、引き続き考えている。

2015年度、トリプルメリットと
実質賃金増に支えられる日本経済

 下記の図表2は、ストーリーラインとしてきた日本経済の「トリプルメリット」をまとめたもので、日本の2015年度の成長率見通し2.1%のうち1%強を占めている。その3要因は、(1)金融緩和による円安・株高、(2)消費増税先送りも含めた財政面による支え、(3)原油価格下落、によるものだ。世界的には停滞の不安が続くが、日本経済は予想以上の回復に向かう可能性がある。

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高田創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]

たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08年グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長、チーフストラテジスト、11年より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

「経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層」

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