HOME

メタボリック

肝臓

腰痛・肩こり

高血圧・高脂欠症

うつ・ストレス

ニオイ

薄毛

老化防止

禁煙

男の病気

「引きこもり」するオトナたち

トップ営業マンが突然パニック障害に!
一体何が彼を追い詰めたのか

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第7回】

電車で突然「心臓バクバク」
パニック障害で会社を退社

 一部上場企業で勤務していた30代のフジタさん(仮名)は、社長のあいさつを椅子に座って聞いている途中、突然、フラッとした。

 その一瞬の記憶がない。ただ、何とも言い表せないような気持ちの悪さに襲われた。

 「何だ、これ?」

 フジタさんは、訳のわからないまま、社長のあいさつの途中で中座させてもらい、トイレに向かった。戻ってくるとチーフマネージャーから、心配そうに「とりあえず、これ飲んどけよ」と、精神を安定させるような薬を渡された。

 薬を飲むと、しばらく落ち着いた。しかし、その日の帰り道、電車に乗っていると、今度は心臓がバクバクと言いだして、息が苦しくなった。このまま死んでしまうのではないかという恐怖感を覚えたのだ。

 何とか帰宅してから、インターネットで「電車」「心臓バクバク」などと検索した。すると、「パニック症候群」とか「パニック障害」などと記されている。フジタさんにとっては、初めて聞く診断名だった。前々回に紹介した「不安障害」の一種といわれている。

 フジタさんがこのようにして、パニック障害に初めて襲われたのは、5年くらい前のことだ。子供の頃から振り返っても、思い当たる節がなかった。

 元々、新しい人に会うのが好きで、営業を任されれば、同僚が受注を1件も取れない中でも、1人ノルマを達成するほど、営業成績はトップクラス。それまでは、うつ病になったり、会社を休んで行方不明になったりする同僚たちがいても、なぜ落ち込むのかも理解できなかったし、どこか冷やかに見ていることさえあった。

 結局、フジタさんは会社を退職。その後、就職活動して入社した大手サービス業の会社も、3週間で辞めた。その会社は、自分に合っているのかどうかさえもわからなかった。

 「間違いなく、そこにいたら、違うと思ったから」と、フジタさんは説明する。

 一体、何が違うと思ったのか?

1 2 3 4 >>
このページの上へ

池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

⇒バックナンバー一覧