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限りなく透明に凜として生きる――「日本のマザー・テレサ」が明かす幸せの光
【第1回】 2015年3月20日
著者・コラム紹介バックナンバー
佐藤初女 [福祉活動家、教育者]

「日本のマザー・テレサ」がおむすび秘話を初公開!
なぜ、心病める人が「食」で元気になるのか?

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『森のイスキア』主宰・佐藤初女氏のところへは、女優・大竹しのぶさんや、総理大臣夫人・安倍昭恵さんなど数多くの有名人が「おむすび」を学びにくる。また、全国から自殺寸前の人がやってきて、「食」をもてなされると活力を得て帰っていく。まさに「ふるさと」のような活動拠点が青森・岩木山麓にある『森のイスキア』だ。
1995年公開、龍村仁監督『地球交響曲<ガイアシンフォニー>第二番』でその活躍が世界中で注目された佐藤初女氏。現在も精力的に講演活動中だ。
そんな初女さんが93歳の集大成書籍『限りなく透明に凜として生きる―「日本のマザー・テレサ」が明かす幸せの光―』を出版した。先行き不透明な時代、初女さんがこの20年あたためてきた「限りなく透明」なメッセージを紹介する。(構成・池田純子)

毎朝、岩木山が教えてくれるもの


佐藤初女(さとう・はつめ)
1921年青森県生まれ。1992年、岩木山麓に『森のイスキア』を開く。病気や苦しみなど、様々な悩みを抱える人々の心に耳を傾け、「日本のマザー・テレサ」とも呼ばれる。1995年に公開された龍村仁監督の映画『地球交響曲<ガイアシンフォニー>第二番』で活動が全世界で紹介され、国内外でも精力的に講演会を行う。アメリカ国際ソロプチミスト協会賞 国際ソロプチミスト女性ボランティア賞、第48回東奥賞受賞。2013年11月の「世界の平和を祈る祭典 in 日本平」でキリスト教代表で登壇。チベット仏教最高指導者のダライ・ラマ法王と初対面。その際、おむすびをふるまう。『おむすびの祈り』『朝一番のおいしいにおい』など著書多数。(プロフィール写真撮影:岸圭子)

 わたしの住んでいる青森県弘前市はお城と桜とりんごをキャッチフレーズにしていますが、わたしは街のシンボルは岩木山にあると思っています。

 ふつう山というのは峰が連なってできていますが、岩木山は大地にどっしり座り、裾が広く、その広さで町全体を包み込んでいるような感じです。
 今日は曇りだとか、お天気になりそうだとか、わたしは毎朝、岩木山を見て、一日に向かっていくんです。

 いつもは弘前市内に住んでいますが、お客様をお迎えするときは岩木山の標高400メートルくらいのところにある『森のイスキア』に行きます。

 木造の小さな建物ですが、ここがささやかな活動の拠点となっています。
「どんな活動をしているのですか?」
 そうよく聞かれますが、形にもなっていないし、さりとて決まりもない、この活動はまったく自由なもの。


こちらが答えにためらっていると、
「何もしていないのですか?」
 と聞かれます。
 そこで、いちばんてっとり早くはっきりと答えるのが、「食べ物を大切にしています」ということ。

 食べることは日に3度のことで、どなたも食べているのに、わざわざそのように取り上げなくてもいいのでは、と思いがち。
 けれども『森のイスキア』を訪ねてくる人の多くは悩み苦しんでいます。
 そうした人に食事をつくり、一緒に食べて、その人がおいしいと感じたら、だんだんと話し始めて心の扉も開かれるのです。

 そこまでいかないうちは素直に食べることができません。
 そうして自分の胸のうちをすべて吐き出すと、やがてその人自身の中からはっきりとお答えが出てきて、すっかり元気になって帰っていかれます。

 わたしは話を聞くときは、自分の中のものを空っぽにして、そのままを全部受け入れるように心がけています。
 話を聞きながら「それはダメ」とか「こうすればいい」といった考えは入れません。
 こういったことが活動と言えば活動なのです。

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佐藤初女 [福祉活動家、教育者]

1921年青森県生まれ。
青森技芸学院(現・青森明の星中学・高等学校)卒業。
小学校教員を経て、1979年より弘前染色工房を主宰。
老人ホームの後援会や弘前カトリック教会での奉仕活動を母体に、1983年、自宅を開放して『弘前イスキア』を開設。
1992年には岩木山麓に『森のイスキア』を開く。
助けを求めるすべての人を無条件に受け入れ、食事と生活をともにする。
病気や苦しみなど、様々な悩みを抱える人々の心に耳を傾け、「日本のマザー・テレサ」とも呼ばれる。
1995年に公開された龍村仁監督の映画『地球交響曲<ガイアシンフォニー>第二番』で活動が全世界で紹介され、
シンガポール、ベルギーほか国内外でも精力的に講演会を行う。
日本各地で「おむすび講習会」を開くとすぐ満員になる盛況ぶり。
アメリカ国際ソロプチミスト協会賞 国際ソロプチミスト女性ボランティア賞、第48回東奥賞受賞。
2013年11月の「世界の平和を祈る祭典 in 日本平」でキリスト教代表で登壇。
チベット仏教最高指導者のダライ・ラマ法王と初対面。その際、おむすびをふるまう。
『おむすびの祈り』『いのちの森の台所』(以上、集英社)、『朝一番のおいしいにおい』(女子パウロ会)、『愛蔵版 初女さんのお料理』(主婦の友社)、『「いのち」を養う食』(講談社)など著書多数。


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93歳の「日本のマザー・テレサ」がこの20年ずっと温め、最も伝えたかったテーマが「限りなく透明に凜として生きる」。雪深い岩木山麓にある『森のイスキア』の窓外に美しく光る葉は一枚一枚が透明だ。ひと粒、ひと声、ひと手間をていねいに。“今を生きる”と幸福の種が芽吹く。揺れる心をおだやかに整える気づき。年初来続く事件の数々……今こそ「限りなく透明な生き方」を分かち合う必要があるのでは?

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