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限りなく透明に凜として生きる――「日本のマザー・テレサ」が明かす幸せの光
【第7回】 2015年4月3日
著者・コラム紹介バックナンバー
佐藤初女 [福祉活動家、教育者]

生きにくい時代に、「直感」をどう磨くか?
食べるものは、体だけでなく「心」にも入ってくる

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『森のイスキア』主宰・佐藤初女氏のところへは、女優・大竹しのぶさんや、総理大臣夫人・安倍昭恵さんなど数多くの有名人が「おむすび」を学びにくる。また、全国から自殺寸前の人がやってきてそこで「食」をもてなされると活力を得て帰っていく。まさに「ふるさと」のような地が青森・岩木山麓にある『森のイスキア』だ。
1995年公開、龍村仁監督『地球交響曲<ガイアシンフォニー>第二番』でその活躍が世界中で注目された佐藤初女氏。海外からの講演依頼も多数。現在も精力的に講演活動中だ。
その初女さんが93歳の集大成書籍『限りなく透明に凜として生きる―「日本のマザー・テレサ」が明かす幸せの光―』を出したという。今回は、日々の生活の中でどうやって直感を磨くかを初女さんに聞いた。

『森のイスキア』を訪れた一人の女性


佐藤初女(さとう・はつめ)1921年青森県生まれ。1992年、岩木山麓に『森のイスキア』を開く。病気や苦しみなど、様々な悩みを抱える人々の心に耳を傾け、「日本のマザー・テレサ」とも呼ばれる。1995年に公開された龍村仁監督の映画『地球交響曲<ガイアシンフォニー>第二番』で活動が全世界で紹介され、国内外でも精力的に講演会を行う。アメリカ国際ソロプチミスト協会賞 国際ソロプチミスト女性ボランティア賞、第48回東奥賞受賞。2013年11月の「世界の平和を祈る祭典 in 日本平」でキリスト教代表で登壇。チベット仏教最高指導者のダライ・ラマ法王と初対面。その際、おむすびをふるまう。『おむすびの祈り』『朝一番のおいしいにおい』など著書多数。(撮影:岸圭子)

 今は介護について、みなさん悩んでいますね。介護は誰もが必ず通る道です。
 あらかじめ心の準備ができていればいいけれど、できていなくて、いざその時がきて、びっくりすることが多い。こんなはずじゃなかったと悲しんでいるんですね。

 以前、こんなことがありました。
 ある夕暮れが迫ってきた頃に自家用車で『森のイスキア』を一人の女性が訪ねてきました。

 最初にスタッフが応対したのですが、「どうしても今日でなければダメだから会ってほしい」と言われるので、中にお通しすると、自分の苦しさについて堰を切ったように話し始めました。

 2年前に姑を看取って、やれやれと思ったところに舅が半身不随になってしまった。よくできた舅で、お嫁さんであるその人のすることが何から何まで気に入らない。寝たきりなのに、洋服を脱いでは投げつけるんですと。

 1日2回やっていたのが、いまは4回になって、自分ではもうどうしようもできない。施設に相談しようも、自分がそういうことをすると親戚中から責められると、1時間も涙を流しながら話したんですね。
 わたしはいつものように話すことをそのまま聞いていたのですが、その方は最後に、

 「自分は舅が全部自分で脱ぎ捨てたと思っているけれど、夫は“はずれた”と言うから、わたしも夫のようにはずれたと考えます。施設にも預けないで最後まで看取ることを決心しました」

 と帰っていかれたのです。
 介護される病人は心が満たされていないので、だんだんと悪い方向にいき、なかなかいいほうに向かうのが難しいようです。

 「自分は何も役に立たない、死にたい」と思っている人もいて、介護をしている家族や介護の仕事に携わる人は、それで悩む人が多いですね。

 こちらがこうしてあげればいいと思っても、ほんとうにその人がそれを望んでいるかどうかはわからないし、その結果でよくも悪くもなりますから、ほんとうに難しいことだと思います。

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佐藤初女 [福祉活動家、教育者]

1921年青森県生まれ。
青森技芸学院(現・青森明の星中学・高等学校)卒業。
小学校教員を経て、1979年より弘前染色工房を主宰。
老人ホームの後援会や弘前カトリック教会での奉仕活動を母体に、1983年、自宅を開放して『弘前イスキア』を開設。
1992年には岩木山麓に『森のイスキア』を開く。
助けを求めるすべての人を無条件に受け入れ、食事と生活をともにする。
病気や苦しみなど、様々な悩みを抱える人々の心に耳を傾け、「日本のマザー・テレサ」とも呼ばれる。
1995年に公開された龍村仁監督の映画『地球交響曲<ガイアシンフォニー>第二番』で活動が全世界で紹介され、
シンガポール、ベルギーほか国内外でも精力的に講演会を行う。
日本各地で「おむすび講習会」を開くとすぐ満員になる盛況ぶり。
アメリカ国際ソロプチミスト協会賞 国際ソロプチミスト女性ボランティア賞、第48回東奥賞受賞。
2013年11月の「世界の平和を祈る祭典 in 日本平」でキリスト教代表で登壇。
チベット仏教最高指導者のダライ・ラマ法王と初対面。その際、おむすびをふるまう。
『おむすびの祈り』『いのちの森の台所』(以上、集英社)、『朝一番のおいしいにおい』(女子パウロ会)、『愛蔵版 初女さんのお料理』(主婦の友社)、『「いのち」を養う食』(講談社)など著書多数。


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93歳の「日本のマザー・テレサ」がこの20年ずっと温め、最も伝えたかったテーマが「限りなく透明に凜として生きる」。雪深い岩木山麓にある『森のイスキア』の窓外に美しく光る葉は一枚一枚が透明だ。ひと粒、ひと声、ひと手間をていねいに。“今を生きる”と幸福の種が芽吹く。揺れる心をおだやかに整える気づき。年初来続く事件の数々……今こそ「限りなく透明な生き方」を分かち合う必要があるのでは?

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