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限りなく透明に凜として生きる――「日本のマザー・テレサ」が明かす幸せの光
【第2回】 2015年3月23日
著者・コラム紹介バックナンバー
佐藤初女 [福祉活動家、教育者]

「面倒くさいが地球を破壊」している!?
野菜が透明になったとき、人の心も変わる

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『森のイスキア』主宰・佐藤初女氏のところへは、女優・大竹しのぶさんや、総理大臣夫人・安倍昭恵さんなど数多くの有名人が「おむすび」を学びにくる。
また、全国から自殺寸前の人がやってきてそこで「食」をもてなされると活力を得て帰っていく。まさに「ふるさと」のような地が青森・岩木山麓にある『森のイスキア』だ。
1995年公開、龍村仁監督『地球交響曲<ガイアシンフォニー>第二番』でその活躍が世界中で注目された佐藤初女氏。現在も精力的に講演活動中だ。
その初女さんが93歳の集大成書籍を出した。『限りなく透明に凜として生きる―「日本のマザー・テレサ」が明かす幸せの光―』。今、初女さんがいちばん伝えたいものとは?(構成・池田純子)

食材一つ扱うにも真剣に取り組む

佐藤初女(さとう・はつめ)1921年青森県生まれ。1992年、岩木山麓に『森のイスキア』を開く。病気や苦しみなど、様々な悩みを抱える人々の心に耳を傾け、「日本のマザー・テ レサ」とも呼ばれる。1995年に公開された龍村仁監督の映画『地球交響曲<ガイアシンフォニー>第二番』で活動が全世界で紹介され、国内外でも精力的に講演会を行う。アメリカ国際ソロプチミスト協会賞 国際ソロプチミスト女性ボランティア賞、第48回東奥賞受賞。2013年11月の「世界の平和を祈る祭典 in 日本平」でキリスト教代表で登壇。チベット仏教最高指導者のダライ・ラマ法王と初対面。その際、おむすびをふるまう。『おむすびの祈り』『朝一番のおいしいにおい』など著書多数。(撮影:岸圭子)

 映画『地球交響曲<ガイアシンフォニー>第二番』に出演してから、映画について話し合う機会が多くなり、話しているうちに「食はいのち」という言葉が出てきました。

 わたしたちは食べないと生きていけないし、食べものに生かされています。
 食べものってありがたいな、こうすればもっとおいしくなるかなと、だんだん食への考えが深くなり、食材一つ扱うのにも真剣に取り組むようになりました。

 たとえば、大根を輪切りにするときも、包丁で力まかせに切ると斜めになってしまいますが、大根のほうを少しずつ回して、そのまま動いた方向にゆっくりと包丁を入れると、まっすぐに均等に切れます。

 にんじんやごぼうも同じです。
 せっかくの食材をいいかげんに扱っては、食材に申し訳ないという気持ちが、こうした発見につながりました。

 ほうれん草やブロッコリーなどの青菜をゆがくときも、沸騰したお湯に入れてじっと見ている。
 はしで青菜を泳がせながら、ゆがくのですが絶対に目をはなさず、青菜がぱっと色鮮やかな緑に変わったときにさっとひきあげて冷水につけるの。
 それで食べると、ほんとうにおいしいんです。

 この緑に変わった瞬間に茎を切ってみると透明になっているから、この透明になったときが“いのちのうつしかえ”なんだなと思ったの。

 それからこの野菜が透明になったときに味つけすると、味が自然にしみこんで、なんとも言えないおいしさになるわけ。
 台地に生えていたものがわたしたちの体に入りいのちとなって、今度は生涯ともに生きていく。

 野菜が透明になったときに、こちらの心もさっと変わっているんです。

 それで「透明」ってすごいな、人もこんなふうに透明にならないといけないなと、かれこれ20年前からそう思っていたの。

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    佐藤初女 [福祉活動家、教育者]

    1921年青森県生まれ。
    青森技芸学院(現・青森明の星中学・高等学校)卒業。
    小学校教員を経て、1979年より弘前染色工房を主宰。
    老人ホームの後援会や弘前カトリック教会での奉仕活動を母体に、1983年、自宅を開放して『弘前イスキア』を開設。
    1992年には岩木山麓に『森のイスキア』を開く。
    助けを求めるすべての人を無条件に受け入れ、食事と生活をともにする。
    病気や苦しみなど、様々な悩みを抱える人々の心に耳を傾け、「日本のマザー・テレサ」とも呼ばれる。
    1995年に公開された龍村仁監督の映画『地球交響曲<ガイアシンフォニー>第二番』で活動が全世界で紹介され、
    シンガポール、ベルギーほか国内外でも精力的に講演会を行う。
    日本各地で「おむすび講習会」を開くとすぐ満員になる盛況ぶり。
    アメリカ国際ソロプチミスト協会賞 国際ソロプチミスト女性ボランティア賞、第48回東奥賞受賞。
    2013年11月の「世界の平和を祈る祭典 in 日本平」でキリスト教代表で登壇。
    チベット仏教最高指導者のダライ・ラマ法王と初対面。その際、おむすびをふるまう。
    『おむすびの祈り』『いのちの森の台所』(以上、集英社)、『朝一番のおいしいにおい』(女子パウロ会)、『愛蔵版 初女さんのお料理』(主婦の友社)、『「いのち」を養う食』(講談社)など著書多数。


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    93歳の「日本のマザー・テレサ」がこの20年ずっと温め、最も伝えたかったテーマが「限りなく透明に凜として生きる」。雪深い岩木山麓にある『森のイスキア』の窓外に美しく光る葉は一枚一枚が透明だ。ひと粒、ひと声、ひと手間をていねいに。“今を生きる”と幸福の種が芽吹く。揺れる心をおだやかに整える気づき。年初来続く事件の数々……今こそ「限りなく透明な生き方」を分かち合う必要があるのでは?

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