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全人代から読み解く
中国「景気下振れリスク」の本質

――齋藤尚登・大和総研シニアエコノミスト

齋藤尚登 [大和総研シニアエコノミスト]
2015年3月24日
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2015年の成長率目標が
7.0%前後に引き下げられた理由

第12期全国人民代表大会では、2015年の政府経済成長率目標が7%前後と、2012年~2014年の目標7.5%前後から引き下げられた。中国経済の景気下振れリスクの本質を読み解く
Photo:AP/アフロ

 3月15日に閉幕した第12期全国人民代表大会(全人代=日本の国会に相当)第3回会議では、初日の3月5日に李克強首相による政府活動報告が行われた。注目された2015年の政府経済成長率目標は7%前後と、2012年~2014年の目標7.5%前後から引き下げられた。中国は、2014年の7.4%成長(実績)からの若干の景気減速というソフトランディングを、目指していることになる(下記表1参照)。

 2015年の主な目標は以下の通りである。

・実質GDP成長率は7%前後(2014年の目標は7.5%前後、実績は7.4%)とする。

・消費者物価上昇率は3%前後(2014年の目標は3.5%前後、実績は2.0%)とする。

・都市新規雇用増加数は1000万人以上(2014年の目標は1000万人以上、実績は1322万人)とし、都市登録失業率は4.5%以内(2014年の目標は4.6%以内、実績は4.1%)に抑制する。

・貿易の伸びは前年比6%増前後(2014年の目標は同7.5%増前後、実績は同2.3%増)とし、国際収支の基本的バランスを図る。

・個人所得の伸びを経済発展に見合うものとする。

・単位GDP当たりのエネルギー消費量を、前年比3.1%以上削減(2014年実績は同4.8%削減)し、主要汚染物質の排出量を減らす。単位GDP当たりの二酸化炭素は同3.1%以上、化学的酸素要求量(COD)とアンモニア性窒素は同2%程度、二酸化硫黄は同3%程度、窒素酸化物(NOX)は同5%程度、排出量を削減する。

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齋藤尚登 [大和総研シニアエコノミスト]

さいとう・なおと/1990年立教大学文学部卒業。山一証券経済研究所勤務。1994年~1997年香港駐在。1998年大和総研入社。2003年~2010年北京駐在を経て、2010年6月より現職。担当は中国経済、中国株式市場制度。近著に「最新中国金融・資本市場」(金融財政事情研究会、2013年)、「習近平時代の中国人民元がわかる本」(近代セールス社、2013年)、「中国資本市場の現状と課題」(資本市場研究会、2013年、いずれも共著)。


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