トヨタvs日産 社員満足度が高いのはどっち!?自動車業界最大手のトヨタ自動車。社員の満足度も業界で最も高いのか?写真は愛知県豊田市の本社

 日本を代表する大企業、グローバルに展開する大企業――。就職人気ランキングでもそういった企業が上位にランクインしています。スケールの大きな仕事ができるうえ、大企業の安定感は魅力的です。

 では、そんな大企業の社員はいったいどんな働き方をしているのでしょうか。普段あまり耳にすることのない大会社の中で働いている人の声。これまであまり語られることの無かった会社の実態を、社員クチコミサイト「Vorkers(ヴォーカーズ)」に寄せられた社員・元社員のクチコミからリサーチ。社員による会社満足度から分かる会社の実態をご紹介します。

 1回目の今回は、自動車業界の最大手トヨタ自動車と日産自動車。どちらも先日、2015年3月期の売上、利益を上方修正し、過去最高益になることを発表したばかりです。一方で、両社ともリコール問題に揺れ、日産は元社員による秘密情報の持ち出しといったネガティブなニュースも続いています。

 では、それぞれの会社の社員クチコミから、報道では明らかになりにくい会社の実態をみていきましょう。

「風通し」が良い日産
でも社員による会社評価はトヨタが圧勝

トヨタvs日産 社員満足度が高いのはどっち!?「風通しの良さ」が社員に評価されている日産自動車。写真は神奈川県横浜市の本社

 社員の働きがいや、満足度を知る指標としてヴォーカーズが用いているのが8つの項目による数値評価。これは、短期・中長期の社員の成長環境と、待遇や評価に対する納得感、そして社風や働く環境の空気感、そして会社のコンプライアンス意識を評価する指標で成り立っています。

 ポイントを見ていきましょう。チャート図を見て分かる様に、ほとんどの評価でトヨタが日産を上回っており、トヨタ社員の方が会社への満足度が高いことがわかります。日産は、「風通しの良さ」だけトヨタよりもやや高くなっており、「自由に意見を言える」環境があることが分かりますが、「社員の相互尊重」はやや下がる結果となっており、自由な意見を言えるものの、それが仕事におけるチームワーク意識に繋がっていない可能性があると推測されます。

 また、残業時間(月間)は日産の方が約4時間少ないようですが、有休消化率はトヨタが約81.5%、日産が70.5%と、トヨタの方が有休消化をしやすい環境であることがうかがえます。

 大きく差を付けたのは、「待遇面の満足度」と「人材の長期育成」です。これはクチコミコメントからその実態を探ってみたいと思います。