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国産アニメ初の大成功「喜羊羊」で勢いづく中国の大望

山谷剛史 [フリーランスライター]
2009年8月19日
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 ここ半年、中国のおもちゃ屋や子供用品店を見ていると、今まで常連だった「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」「ウルトラマン」「ミッキーマウス」に加え、日本ではお目にかかれない羊のキャラクターを見るようになった。そのキャラクターの名前を、子供達は「喜羊羊(シーヤンヤン)」と呼ぶ。中国国産アニメ「喜羊羊与灰太狼」のキャラクターだ。

 中国では、国産アニメ興隆を夢見て、様々な国産アニメが作られたが、全くといっていいほど認知されないまま消えていった。その中で、北京五輪のマスコットキャラクター「福娃(Fuwa)」は、各都市の一等地に北京五輪グッズアンテナショップを置き、福娃とコラボレーションした店も数多くあった。しかし、現地にいる感覚では、人々の記憶に強引に刷り込んだ感じで、たしかに誰もが認知しているが、人気があるとは言い難かった。福娃が主人公のアニメや漫画、絵本も登場したが、人気は出なかった。

 このように、中国と日本のアニメの間には、技術云々ではない高い壁があるのは、中国人も重々承知している。その高い壁を「喜羊羊」は突き破ったのだ。

中国アニメにありがちな
教育的内容がないのが勝因

書店の売り場でもひときわ目立つ「喜羊羊」コーナー

 喜羊羊与灰太狼は、文字通り、羊と狼の話である。基本は羊村に住む5匹の羊(話が進むと増える)と、それを狙う2匹の夫婦の狼(これまた話が進むと増える)の話である。

 5匹の羊は、ドラえもんやクレヨンしんちゃんの登場キャラクターのように、賢かったり、怠け者だったり、紅一点だったりと、各羊に個性がある。怠け者の羊は、性格だけでなく髪型もいわゆる巻き糞型なのでウケがいい。一方2匹の夫婦の狼は、妻の狼が夫の狼に羊を捕まえるようねだり、夫の狼は羊村に行くが、夫の狼はおっちょこちょいなため失敗する。アンパンマンのバイキンマンとドキンちゃんのポジションが非常に近い。

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山谷剛史 [フリーランスライター]

日本人の立場から中国のIT事情を紹介する。執筆の他、講演も行う。著書に「新しい中国人 ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)


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