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ピーター・リンチの株の法則
【第3回】 2015年4月13日
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ピーター・リンチ,平野誠一

バフェットからピーター・リンチへの1本の電話

処女作『ピーター・リンチの株で勝つ[新版]』に続く第二弾!読者がもっとも興味のあった「ピーター・リンチはどのようにして、資産を増やしていったのか」という疑問に答える中身になっています!新訳版として、さらに読みやすくなり、黄金律は5つ追加され、25の黄金律として収録。本書より、ピーター・リンチの投資戦略が垣間見られるエピソードを全5回にわたって紹介。
新刊『ピーター・リンチの株の法則 90秒で説明できない会社には手を出すな』の連載第3回。

花を引き抜き、雑草に水をやる

 私が買い入れた銘柄を突然売ってしまうのは、方針を変えたためではなく、新たに訪問した会社が気に入ってそちらに乗り換えたためであるケースがほとんどだった。

 両方とも持っていたいのは山々だったが、規模が小さく、解約請求が途切れることのないファンドだったから贅沢は言えない。何かを買うには何かを売らねばならず、私はいつも何かを買いたがっていたから、いつも何かを売らなければならなかった。

 おまけに、有望な銘柄が見つかったかと思えば、その翌日にはさらに有望な銘柄が出てくるというような毎日だった。

 こうした頻繁な売買は毎年難題をもたらした。分別のある運用を行っていると投資家に思ってもらえるような説明を報告書に書かなければならない、という難題だ。

 ある年には、自分の戦略を次のように要約した。「マゼランは株価が上昇した循環株から、増収増益を果たしそうな非循環株に資金を移しています。……景気の減速で利益が押し下げられる恐れのある企業の株を減らしました。もっとも、株価が割安だと思われる循環株にはまだ多額の資金を投じています」

 こうやって昔の報告書を振り返ってみて思うのは、ほんの数ヵ月で手放した銘柄の多くはもっと長期間保有するべきだった、ということだ。

 無条件に忠誠を誓うということではなく、魅力がどんどん増していく銘柄を辛抱強く持ち続けるという意味である。

 売ったことを特に後悔しているのは、アルバートソンズ(株価が300倍になった大変な成長株)、トイザらス(同上)、ピックン・セイブ(すぐ売ってしまった)、ワーナー・コミュニケーションズ(こともあろうに、私はテクニカル・アナリストの助言に従って売ってしまった)、フェデラル・エクスプレス(5ドルで買って、10ドルになったところで素早く売り抜けたが、その2年後には70ドルになっていた)の五銘柄だ。

 こうした偉大な銘柄を売ってそれに劣る銘柄を買ってしまった私は、お気に入りの表現を使うなら、「花を引き抜き、雑草に水をやる」というよくありがちなミスを犯したことになる。

 ある晩のこと、投資の洞察力と巧みな文章で有名なウォーレン・バフェット氏が私に電話をかけてきた。この表現を自分の年次報告書で使わせてもらえないだろうかと尋ねてきたのだ。私は、彼の文章に引用してもらえると聞いてわくわくした。

 うわさによれば、バフェット氏の年次報告書を読みたいがためにバークシャー・ハサウェイを1株(現在は1万1000ドル)持っている投資家もいるらしい。もしそれが本当なら、バークシャーは史上最も高額な雑誌となるだろう。


第4回「投資する会社を小学生に90秒で説明できるようにする(仮)」は、4/20(月)配信予定です。

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ピーター・リンチ

1944年生まれ。ボストン大学を経て、ペンシルバニア大学ウォートン校でMBAを取得。69年フィデリティ・マネジメント・アンド・リサーチ社に証券アナリストとして入社。77年から90年まで、マゼラン・ファンドの運用にあたる。この間、全米でもトップクラスの運用成績をあげ、タイム誌から「全米でNO.1のファンド・マネジャー」と讃えられた。
 

平野誠一

銀行勤務などを経てビジネス・経済・金融関連の翻訳に携わる。訳書に『最悪期まであと2年! 次なる大恐慌』『バフェット流投資に学ぶこと、学んではいけないこと』『[新版]バフェットの投資原則』『高齢者が働くということ』(ダイヤモンド社)、『よい上司ほど部下をダメにする』(講談社)などがある。愛知県在住。


ピーター・リンチの株の法則

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