ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
三谷流構造的やわらか発想法

鉄道レールは何度も生き返る。
見つけてみよう、第2の人生

三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]
【第110講】 2015年4月16日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

なぜ鉄道のレールは鉄製なのか?

 日本に初めて鉄道システムが導入されたのは1872年、東京 新橋・横浜間が最初でした。以来、143年。今日はその縁の下の力持ちである「レール」のお話です。

 なぜ鉄道(railway)のレールは、鉄製なのでしょうか? 少なくともrailwayのrailに鉄という意味はありません。railの原義は、「真っ直ぐな棒」もしくは「真っ直ぐに導くこと」なので、railwayとはまさに線路という意味に過ぎません。

 もともとレールは木製でした。でも、あまりにすぐ消耗してしまうので、産業革命下のイギリス・ドイツで1767年頃、鉄板張り付け木製レールが考案され、すぐに(蒸気機関の発達もあって)鋳鉄製の鉄製レールがつくられるようになりました。鉄製レールと鉄製車輪の組み合わせによる「転がり抵抗」は、地面にタイヤ(*1)のそれに比べて10分の1~5分の1と圧倒的に少なく、大量輸送の要に育っていきました。

L型レール:平らなレールに垂直のフランジをつけ、これで車輪をガイドしている

 レールの形は様々に進化しましたが、最大の問題は「脱線をどう防ぐか」でした。L字型やいろいろなフランジ(出っ張り)が試されました。

 1789年、フランス革命の年に大きな発想の転換が行われ、脱線率が劇的に下がります。ウィリアム・ジェソップ(William Jessop、1745~1814)による「フランジ付き車輪」の発明です。さらに1831年、ロバート・スティーブンス(Robert Stevens、1787~1856)が「I型」をした「平底レール」を発明して、これが主流になりました。

 枕木に釘で簡単に固定できる「平底レール」と、脱線しにくい「フランジ付きの車輪」の組み合わせは、強靭な「鋼鉄製レール」の発明(*2)によって、列車を支える軌条システムとして完成しました。

*1 自動車が時速80kmで定速走行する場合、全抵抗の40%あまりがタイヤの転がり抵抗になる。
*2  1855年、サー・ヘンリー・ベッセマー(Sir Henry Bessemer、1813~1898)による発明。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]

1964年大阪生まれ、福井育ち。小1のとき読書と読みかじりを人に教える快感に目覚め、駿台予備校では教えることの技術に衝撃を受ける。東京大学 理学部物理学科卒業後19年半、BCG、アクセンチュアで戦略コンサルタントとして働く。2003年から06年までアクセンチュア 戦略グループ統括。途中、INSEADでMBA修了。
2006年から教育の世界に転じ、社会人教育と同時に、子どもたち・親たち・教員向けの授業や講演に全国を飛び回る。「決める力」「発想力」と「生きる力」をテーマに毎年8000人以上と接している。現在K.I.T.(金沢工業大学)虎ノ門大学院 主任教授(MBAプログラム)の他に、早稲田大学ビジネススクール、グロービス経営大学院、女子栄養大学で客員教授、放課後NPO アフタースクール及びNPO法人 3keys 理事を務める。永平寺ふるさと大使。
著書多数。『一瞬で大切なことを伝える技術』(かんき出版)は啓文堂書店2012ビジネス書大賞、『経営戦略全史』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)はダイヤモンドHBRベスト経営書2013第1位、ビジネス書大賞2014大賞、『ビジネスモデル全史』(同)はHBRベスト経営書2014第1位となった。
HPは www.mitani3.com

 

 


三谷流構造的やわらか発想法

発想法ってなんのために存在するのでしょう? ヒトと違うアイデアや答えを出すためです。統計的に有意な戦略なんて、定義により無価値ですし、統計的に正しい発想法なんてあるわけがありません。発想に「普遍性」や「高確率」を求めるなんてそもそも矛盾しているのです。発想法も、然り。これまでと違うものを生み出すには、新しい発想法がいま求められているのです。

「三谷流構造的やわらか発想法」

⇒バックナンバー一覧