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属人的なOJTから抜け出せ!
IT人材の育成が企業の喫緊の課題に

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第40回】 2015年4月17日
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人口ピラミッド問題に潜む
指導力の欠如

 多くの企業のIT部門では、年齢構成に大きな問題が生じており、筆者はこれを「人口ピラミッド問題」と呼んで警鐘を鳴らしている。

 バブル経済の崩壊以降、IT部門には新人が回ってこない、優秀な若手人材が他部門に引っ張られていくといったことから、35歳未満のスタッフの比率が非常に少なく、最近になってようやく少し入ってきたことで、年齢構成グラフの形状が図1に示すような「ワイングラス型」や「カクテルグラス型」になっているIT部門が増えているという問題である。

 とりわけ問題となるのは、グラスの底にあたる30代後半から40代のチームリーダーとなるべき世代の指導力の欠如である。この層は、現在の業務遂行の重要な担い手であると同時に、5年後、10年後のIT部門の組織を牽引する役割を果たすことに大きな期待が寄せられている。

 一方でこの世代は、これまで後輩が入ってこず、長年タスクワークに追われてきたため、マネジメントスキルやコミュニケーション能力が十分に身についていない傾向が否めない。また、後進との年齢差が大きいこともあり、どう指導すればよいのか分からないといった状況が散見される。

リーダー層に求められる
意識改革

 チームリーダーには、後進の指導や人材育成が自身の重要な責務のひとつであることへの自覚が求められる。IT部門のチームリーダーは、自ら実務的業務を遂行しつつ、チームをまとめるプレイング・マネージャーであることが多いため、この自覚が薄い傾向にある。

 現在のチームに与えられた任務を果たすために、スケジュールやメンバーの業務遂行を管理することも必要だが、リーダーの責務はそれだけではない。長期的な視点で、メンバーを育成することも重要な任務であることを忘れてはならない。

 チームリーダーは、重要な経営資源である人材をチームメンバーとして会社から預かっており、資産を増やすなり、利益を付加するなりして会社に返す義務を負っているという意識をもたなければならない。また、チームリーダーに対してこのような意識改革を求めていくことは部門長の責務にほかならない。

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内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。現在は大手ユーザー企業のIT戦略立案・実行のアドバイスおよびコンサルティングを提供する。


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日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

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