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週刊・上杉隆

鳩山新政権は記者クラブ開放という歴史的な一歩を踏み出せるか

上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]
【第92回】 2009年9月3日
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 いよいよ鳩山内閣が発足する。特別国会初日の9月16日は、誰もが注目する政権交代の日になるだろう。

 閣僚人事、党役員人事、国家戦略会議などもこの前後までに決定される。民主党政権に対しては、国内のみならず海外からの関心も高い。国内外問わず、メディアの関心も閣僚人事に集中し、すでにお祭り騒ぎとなっている。

 筆者にとっても感慨深い日になるであろう。ようやくジャーナリストとしてのこの10年間の苦労が報われる時がやってくるのだ。

 7年前には、記者証を返還した上に、その後の受け取りを拒否したことで、すべての政府の記者会見から排除され、以降、ゲリラ的な取材を繰り返してきた。喜びがないと言えばウソになる。

 じつは、鳩山政権に対して、筆者の関心はただ一点だけである。それは、鳩山内閣の発足と同時に、本当に記者会見をすべてのメディアに開放するかどうかに尽きる。換言すれば、明治以来、戦後を含めて官僚システムと一体となって続いてきた記者クラブ制度にメスが入るかどうかという点である。

会見開放は“一流メディア”
にとっての「死刑宣告」か

 筆者がニューヨーク・タイムズに入ったのは、ちょうど10年前の夏のことだった。それ以来、さまざまなチャンスをみつけては、記者クラブ開放による、権力とメディアの健全な緊張関係の構築を訴えてきた。

 3年前には毎日新聞のコラム「新聞時評」で、記者クラブシステムについての連載をもたせてもらった。1年前の夏には「ジャーナリズム崩壊」(幻冬舎)を書き、記者クラブの抱える病理を世に問うた。さらに直後には、上智大学新聞学科や日本大学国際日本学科などで、記者クラブ問題についての講義をもった。

 そのほかにも、出版社や地方紙主催の講演会や、京都大学新聞や日本新聞労連主催のシンポジウムで話をさせてもらった。

 そして、今年の3月24日、ついに小沢一郎民主党代表(前)が、さらに5月16日には鳩山由紀夫代表が、それぞれの会見の中で、筆者の質問に対して、首相官邸における記者会見の開放を約束したのだ。

 いよいよ、その約束の日が迫っている。日本のジャーナリズムにとっては「政権交代」以上に歴史的な日になるに違いない。

 だが、それほどのイベントであるのに、ほとんどの報道機関が口を閉ざしているのはなぜか。ビデオジャーナリストの神保哲生氏も指摘し続けてきたように、それには大きな抵抗がある。
http://diamond.jp/series/admin_change/10005/

 なにより記者クラブの開放は、それは、新聞・テレビなどの“一流メディア”にとって、その日が「死刑宣告の日」に映っているからに違いない。

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上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]

株式会社NO BORDER代表取締役。社団法人自由報道協会代表。元ジャーナリスト。1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局記者、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者、フリージャーナリストなどを経て現在に至る。著書に『石原慎太郎「5人の参謀」』 『田中真紀子の恩讐』 『議員秘書という仮面―彼らは何でも知っている』 『田中真紀子の正体』 『小泉の勝利 メディアの敗北』 『官邸崩壊 安倍政権迷走の一年』 『ジャーナリズム崩壊』 『宰相不在―崩壊する政治とメディアを読み解く』 『世襲議員のからくり』 『民主党政権は日本をどう変えるのか』 『政権交代の内幕』 『記者クラブ崩壊 新聞・テレビとの200日戦争』 『暴走検察』 『なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか』 『上杉隆の40字で答えなさい~きわめて非教科書的な「政治と社会の教科書」~』 『結果を求めない生き方 上杉流脱力仕事術』 『小鳥と柴犬と小沢イチローと』 『永田町奇譚』(共著) 『ウィキリークス以後の日本 自由報道協会(仮)とメディア革命』 『この国の「問題点」続・上杉隆の40字で答えなさい』 『報道災害【原発編】 事実を伝えないメディアの大罪』(共著) 『放課後ゴルフ倶楽部』 『だからテレビに嫌われる』(堀江貴文との共著)  『有事対応コミュニケーション力』(共著) 『国家の恥 一億総洗脳化の真実』 『新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか』 『大手メディアが隠す ニュースにならなかったあぶない真実』


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