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マイクロソフトに大変身を迫る
“ビッグスイッチ”革命の衝撃

カリスマが語るクラウド・コンピューティング論

【第11回】 2008年7月29日
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「ITにもはや戦略的価値なし!」などの発言で知られる著述家のニコラス・カー氏が再び過激な論文を発表し話題を集めている。いわくITの世界は巨大な発電所のごとき“ビッグスイッチ”に移行し、マイクロソフトなどの事業モデルは通用しなくなるというのだ。(聞き手/ジャーナリスト マイケル・フィッツジェラルド)

ニコラス・カー
ニコラス・カー(Nicholas Carr)

 コンピューティングの世界で今起きようとしていることは、はるか昔に電力の世界で起きたことに等しい。

 1世紀以上前、電気は、企業などに販売された発電機によってバラバラに発電され、局所的に消費されていた。しかし、その後、巨大な発電設備を核とする広大な電力網が整備され、そのような自己完結型の発電機は無用となり、人々は、多様な器具をコンセントにつなぐだけで、電気の供給を得るに至ったのだ。

 私は、コンピューティング技術の潮流も基本的に同じ方向、すなわち“ビッグスイッチ”に向かっていると考えている。これまでは、データはPCやサーバに保存されていたが、今後は、巨大な中央データセンター群に保存され、インターネットなどを介して端末に供給されることになるはずだ。

 IT業界における昨今のバズワード(流行語)で言うならば、まさしくクラウドコンピューティングの出現である。インターネットという「雲=クラウド」の向こう側に、サービスを提供するデータセンターがあるわけだが、ユーザーはサーバの数やその技術的構成などを気にせずに、サービスを受けることができるイメージだ。

 このビッグスイッチの誕生は、とりもなおさずITビジネスのあり方を大きく変えることだろう。

 ITビジネスはこれまで、ハードウエアにせよソフトウエアにせよ、同じ製品を、どれだけ多くの顧客に“個別”に売ることができるかの勝負だった。だが、アプリケーションはネットワークを介したサービスとなる。パッケージ売りは過去の産物となり、使用量に基づく課金が主流になるだろう。

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