4月25日、東京・品川の日本マイクロソフト株式会社を会場に、起業家のための日本最大級のカンファレンス、第11回サムライベンチャーサミットが開かれた。100社を超えるスタートアップ、インキュベーター、ベンチャーキャピタリスト、メディア、大物海外ゲストなど約2000人が集まる中、イスラエルを訪問した経営者たちのトークセッションを紹介するとともに、イスラエルのスタートアップをめぐる最新動向を報告する。

スピードの速さがカギ

 4月25日に行われた第11回サムライベンチャーサミットでは、「イスラエルに来訪した“未来”を見据えた 経営者たち」のセッションが行われた。昨年5月にイスラエルへ移住したサムライインキュベート榊原健太郎氏がモデレーターを務め、SHIFT社長の丹下大氏、LINE前社長でC Channel代表取締役の森川亮氏、マイクロソフト・ベンチャーズのイスラエルのプログラムにイスラエル企業以外で唯一参加したCapy共同創業者兼CTOの島田幸輝氏がイスラエルの実情を語るセッションが開催された。

イスラエルとの連携、「スピードが速い」<br />ベンチャーがカギを握る左から榊原健太郎、森川亮、丹下大、島田幸輝の各氏。

 セッション中、榊原氏や丹下氏などを通じ、既に日本展開を始めたイスラエルのベンチャーがいくつかあるという話も出た。

 イスラエル企業の技術力の高さには定評がある。SHIFT丹下氏は2000年代に金型業界に大革命を起こした「インクス」という会社の出身で、CAD/CAMには詳しい。「CAMのナンバーワンはイスラエル」と断言していた。

 イスラエルは、スタートアップ企業だけでなく、グローバル企業のR&Dも250を越える。C Chanel の森川氏は、「国自体がR&Dみたいなもの」とイスラエルの特異性を表現していた。

 スピードが速いイスラエル。スピードが速い日本のベンチャー業界との親和性は高い。イスラエルでの日本企業のプレゼンスは、欧米、他のアジア諸国に比べ、3週遅れともいわれる中、ベンチャー企業経営者が両国連携の鍵を握るかもしれないと感じた。