ハイソな街のど真ん中に出現した
ドン・キホーテの「実験店舗」
Photo:DOL
東京都港区白金台、“ハイソ”の代名詞とも言える地域である。5月29日、そこに“驚安の殿堂”ことドン・キホーテの白金台店、その名も「プラチナ ドン・キホーテ」がオープンした。
場所は、目抜き通りであるプラチナ通りと目黒通りの交差点で、地下鉄白金台駅にも至近。まさに白金台の中心、超一等地だ。もともとここにはスーパーマーケットの東急ストアがあり、近隣住民の買い物の場として親しまれていたのだが、2014年8月に撤退。跡地に何が入るのか、注目を集めていた。
既に東急ストア閉店の直後には、住民の間で「ドンキが入るらしい」という噂が立ち始めていたが、歓迎よりは不安や反発のムードの方が強かったというのが実際だ。「白金台のブランドイメージが下がる」「若者の溜まり場となり雰囲気が悪くなる」といった声が上がっていた。
「あの派手な店ができると、街の景観が崩れる」という声も少なくなかった。これに関しては、オープンする白金台店は、一般のドン・キホーテの店舗のイメージとはかなり異なる外観となった。“白金”にちなみ白と銀を基調とする落ち着いた雰囲気で、「DON QUIJOTE」とアルファベット表記の看板も目を引く。街並の中で浮いている感はなく、住民も一安心というところではないだろうか。
しかし、白金台にドン・キホーテという組み合わせに意外感があるのは確かだ。なぜあえてこの地に出店したのか。
同社は白金台店を「実験店舗」とうたっている。年商25億円を目指しつつも、「うまくいくことが前提ではなく、今後のことを考えての挑戦」(服部将允・東京中央支社支社長、以下同)だという。