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メディア激動時代を読む 山口一弥

日本の新聞社が買収の標的になる日は来るのか

山口一弥 [前コロンビア・ビジネス・スクール通信情報研究所客員研究員]
【第5回】 2008年3月6日
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 「ついに」と言うべきか、それとも「やはり」というのが相応しいのだろうか。アメリカの名門新聞社、ニューヨーク・タイムズ社の筆頭株主にハービンジャー・キャピタル・パートナーズファイアーブランド・パートナーズの投資ファンド連合が躍り出た。

 これで、ナイトリッダー、トリビューン、ダウ・ジョーンズと軒並みアメリカの名門新聞社は買収の標的となったことになる。広告の減益や読者離れなどが伝えられる新聞社だが、何故買収の対象となるのだろうか。

 ホームページで見る限り、上記のファンドは、いわゆる典型的企業再建ファンドであることが窺える。ファイヤーブランド・パートナーズの創業者のScott Galloway氏はニューヨーク大学スターン・スクールのMBAコースでブランド戦略を教える現役の教員だし、ハービンジャー・キャピタル・パートナーズもハーバート・マネジメント・コーポレーションという投資会社の中の伸び悩んでいる企業の買収を手掛けるファンドの様だ。

 アメリカのビジネス・スクールの授業に、「ターンアラウンド・マネジメント」という授業がある。直訳すると「経営転換」の授業ということだが、中身は企業再生、つまり伸び悩んだり、業績が悪化している企業の再生を、どのように成し遂げるかという内容なのである。このような授業で理論を学んだMBAホルダー達がファンドで実際に企業の再生を手掛けていく訳だ。

日本の新聞産業は衰退しているのか?

 ところで、日本の新聞産業が置かれている状況は、どうなっているのだろうか。紙の発行部数は業界全体で1997年の約5367万部を最高に、減少傾向に転じて、2006年には約5310万部と9年で約2.2%も減少している。

 1世帯あたり部数は1993年の1.22を最高に年々減少にあり、2006年には1.02と実に16.3%の減少となっている。このまま、年間約2%の減少となると、2007年には1世帯あたり1部を切るかと思われたが、辛くも1.01で持ち堪えた。

 これらのデータを眺めてみても、新聞、特に紙の新聞産業が衰退期に入ってしまったことが、残念ながら読み取れる。

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山口一弥 [前コロンビア・ビジネス・スクール通信情報研究所客員研究員]

立教大学卒。広告会社を経て、新聞社勤務。新聞広告、インターネット広告等の営業を担当。2006年から2007年にかけてコロンビア・ビジネス・スクール通信情報研究所客員研究員。


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インターネットは新聞・放送といった既存メディアの在り方をも変えつつある。メディアの世界で、今、何が起きようとしているのか、その最前線を追う。

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