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フェイスブックが始めた
ニュース記事高速表示サービスの波紋

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第350回】 2015年6月25日
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フェイスブックが開始した「インスタント・アーティクル」のデモ画像 (出所:facebook.com)

 フェイスブックが、9社のメディア会社と提携して「インスタント・アーティクル」というサービスを開始した。

 インスタント・アーティクルは、モバイル・デバイスでフェイスブック・ユーザーがシェアした記事を10倍速く表示できるようにしたもの。これまでは、シェアされた記事をクリックしても、完全に表示されるまでに平均8秒と時間がかかり、ユーザーのエクスペリエンスはスムーズなものではなかった。

 インスタント・アーティクルでは、各メディア会社の特定のニュースのセットをフェイスブック側のサーバーで管理し、それによって表示を高速化する。それに加えて、スマートフォンを傾ければ写真が拡大されたり、記事をスクロールすれば自動プレイ設定のビデオが始まったりなど、フェイスブック特有のしくみもそこに加わる。記事内にコメントを加えることも可能だ。

フェイスブックの軍門に下った?
メディア会社の心情はいかに

 提携したのは、ニューヨークタイムズ、ナショナル・ジオグラフィック、アトランティック、ガーディアン、BBC、シュピーゲルなど、アメリカ、イギリス、ドイツの代表的なメディア会社。表示が速くなれば、メディアの数もさらに多くなることが期待できる。

 だが、その一方でメディア会社にとっては不安な要素もある。上述したように、今回の提携では記事を管理するのはフェイスブック。メディア会社としては背に腹は替えられないといったかたちで、ユーザーもますますフェイスブックに取り込まれそうだ。

 先頃、ロイター・ジャーナリズム研究所が明らかにした調査結果によると、今や25%の人々が、スマートフォンがニュースを見る「主な」方法であるとしているという。この数は昨年の20%から増加しており、特に35歳以下では41%にもなっている。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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