ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

フェイスブック社と中国の経済開発区、
共通の悩みは人材獲得だった

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第252回】 2015年5月14日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 インターネットを利用してニュースなどを読むとき、関心をもつ内容と出会ったら、それをメモに取る習慣をもっている。先日、そのメモをチェックしたら、次のような内容の報道が蘇ってきた。

フェイスブック本社のエントランスにある標識

 米カリフォルニア州のメンローパークに本社を置くフェイスブック社は総工費1億2000万ドルをかけて、394戸の社員用集合住宅を建設中、という。

 シリコンバレーの各IT企業がさまざまな福利厚生を打ち出しているが、フェイスブック社員が受けることのできる福利厚生サービスには、無料の食事、会社が企画する映画上映会、ヘアサロンなどがある。しかし、最も力の入ったものは間違いなくこの社員用集合住宅だった。

 住宅エリア内にはプールやトレーニングジムからペットセンターまで完璧な付帯施設が揃い、またエリアからは徒歩で会社へ行くことができる。20世紀に中国やアメリカで見られた職住近接型住居を思わせ、食事・居住・医療の問題がすべてエリア内で解決できる。毎日の通勤時間も車で5分だけで済む、とメディアでは報じている。

中国の経済開発区も
人材確保のため待遇改善

 以上の報道に、私が驚いたのは中国の国名が出ていることだ。考えてみれば、確かに近年、経済開発が進む中国の沿海部に、職住近接型住居が備えられている経済開発区がよく見られる。働き手を確保するために、経済開発区は都市計画を考える際、当初から社員寮の設置を計画に組み込んだ。

 最初の頃は、この種の社員寮は公営住宅の中でも格安版のような感じの建物だった。それでも地方から出稼ぎに殺到してきた労働者たちは感激していた。仕事場に近いだけではなく、家賃も非常に安いというメリットがあるからだ。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

「莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見」

⇒バックナンバー一覧