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組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

日本企業はいつからモラールを捨て、
モチベーション重視に変わったのか

秋山進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]
【第23回】 2015年7月6日
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すっかり死語になった「モラール」

あなたの会社は、モチベーションの上がる会社?

 最近ではすっかり当たり前になった「モチベーション」という言葉だが、1980年代まではそれほど一般的ではない言葉だった。それまでは似た意味の言葉として「モラール」が主に使われていたからである。

 90年代前半に、マズローやハーズバーグの視点を生活シーンに落した直したリクルート社の『モチベーションリソース革命』という冊子が日本中の会社に配布され、またそのころから、トップアスリートたちが盛んに使いはじめたことで一気に「モチベーション」という言葉は全国に広まった。そして、いつの間にか日本語になったのである。

 「モチベーション」は個人のやる気に焦点を当てるが、「モラール」とは全体の士気を指す。かつては、「目標達成をするために、社員のモラールアップを図ります」というような使い方がされていたのであった。過去形で書いたのは、いま若い世代に聞いてみると、「モラール」という言葉の意味どころか「聞いたこともない」という人がほとんどだ。「モチベーション」に取って代わられてしまった今、「モラール」はすでに死語である。

 80年代頃までの組織では、「全体をどう盛り上げるか」ということこそがメインの関心事であった。社会も業界構造も安定していたし、集団の士気を上げれば成果が上がるという簡単な方程式が成り立っていたのである。

 一方、業界を超えた合従連衡などがあり、市場のニーズや技術も激変している現在は、全体の士気さえあがれば成果が出るなどという簡単な状況にはない。そこで、個人の「モチベーション」にアプローチし、そこから生まれる革新的なアイデアや知見を重視する方向へ変わってきたのだとも言える。このように言うと、企業が「個」を尊重する良い方向へと「進化」しているかのようだが、残念ながらこれは建前である。

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秋山 進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]

リクルート入社後、事業企画に携わる。独立後、経営・組織コンサルタントとして、各種業界のトップ企業からベンチャー企業、外資、財団法人など様々な団体のCEO補佐、事業構造改革、経営理念の策定などの業務に従事。現在は、経営リスク診断をベースに、組織設計、事業継続計画、コンプライアンス、サーベイ開発、エグゼクティブコーチング、人材育成などを提供するプリンシプル・コンサルティング・グループの代表を務める。京都大学卒。国際大学GLOCOM客員研究員。麹町アカデミア学頭。

著書に『「一体感」が会社を潰す』『それでも不祥事は起こる』『転職後、最初の1年にやるべきこと』『社長!それは「法律」問題です』『インディペンデント・コントラクター』『愛社精神ってなに?』などがある。


組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

日本には数多の組織があり、多くの人がその中に属しています。組織は、ある目的のために集まった人たちで成り立っているにも関わらず、一度“病”にかかれば、本来の目的を見失い、再起不能の状態へと陥ります。しかも怖いのが、組織の中の当人たちは、“病”の正体が分からないどころか、自分たちが“病”にかかっていることすら気づけない点です。

この連載では、日本の組織の成長を阻害している「組織の病気」を症例を挙げて紹介。コンプライアンスの観点から多くの企業を見てきた筆者が考える治療法も提示します。

「組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進」

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