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見返りなしで純粋にほしいものを聞く
本音マーケティングの重要性

――坂田直樹・Blabo代表取締役

高橋ちさ
【第93回】 2015年7月21日
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安倍内閣が進める「日本再興戦略」政策1つに、ベンチャー企業への支援策の拡充を打ち出しており、有望なIT分野での企業支援金を増額している。一方民間でも、大企業がベンチャー育成や連携に取り組む動きが活発化している。とくにITやテクノロジーなどの先進分野で、第2のGMO、GREE、DeNA、楽天を目指すスタートアップが日本国内から続々と生まれている。今回は、“共創型マーケティングプラットフォーム”を運営しているBlabo(ブラボ)代表取締役の坂田直樹氏に話を聞いた。

「売れない理由」と
「買わない理由」は一致しない

Blabo(ブラボ)代表取締役の坂田直樹氏 Photo:DIAMOND IT & Business

 マーケティングに力を入れて、市場のリサーチもしっかりして、顧客ニーズも取り入れているし、すごく良いモノなのにまったく売れないと嘆いているビジネスマンも多いのではないだろうか。

 わたし自身、消費者の立場から言わせてもらうと、買物をしようと街に出ても、昨年4月消費税が5%から8%に増税となり、高いお金を出してまで購入したいと思うモノに出会える機会が少なくなった気がする。日本人はモノを買わなくなったと言われているが、それは何故なのだろうか?

 幼少期をニューヨークで過ごした坂田氏は、大学卒業後、世界最大級の外資系消費材メーカーに就職し、マーケティング部門でブランド戦略立案を担当していた。

 入念なマーケティングリサーチを行い、社内のメンバーと打合せを重ね、これぞという商品コンセプトを生み出したとき、意気揚々と自分の母親に話をしたら、「それよりも、もっとこうしたらいいんじゃない?」と的確なアドバイスを受け驚いたそうだ。

 マーケティングのプロが何度もミーティングを重ねて、ようやく出てきたアイデアより、素人のほうが腹落ちする意見を持っていたのだ。

 オフィスで、毎回同じようなメンバーとミーティングを重ねても、いいアイデアはなかなか出てこない、比較しやすい競合他社の製品を持ってきて、うちもこんな感じで出そうという話になり、結局はユーザー視点が圧倒的にかけ離れた独りよがりの商品が生まれてしまう。「友人に聞いたほうが、お金を払って集めたマーケティング対象者よりかえってアイデアが面白いことがある」(坂田氏)

誰でも参加できる
会議室をつくりたい

 企業によっては、対象者にお金を払ってマーケティング調査を行うこともある。例えばターゲットになる主婦層を集めてリサーチを行う場合、企業から頼まれて『お金やポイントをもらえるから話す』といった気持ちがないわけでもない。いわゆる素人だけど、一部は素人じゃない(アンケートで稼ぐ)ような方も多いのが実情のようだ。

 企業のマーケティングリサーチというのは、ある意味、社内でその企画を通すための1つの手段として使われることもあって、残念ながら、本当に生活者の満たされないニーズを発見するために調査設計されていないこともある。

 そこに問題意識を持った坂田氏は、2011年に生活者と共創して商品開発を行う会社「Blabo(ブラボ)」を興した。

 お金をもらうからアイデアを出してくれる人ではなく、一般の生活者が「私は本当にこういうのが欲しい」「こんなのがあるといいな」「困っているからこうしてほしい」といった素人のアイデアをプロがまとめて、調和して掛け合わせるしくみを創ろうとBlaboを立ち上げた。

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