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医療・介護 大転換

広がる「認知症カフェ」は志の高いNPO任せでいいのか

浅川澄一 [福祉ジャーナリスト(前・日本経済新聞社編集委員)]
【第35回】 2015年7月22日
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介護者たちの
精神的負担が軽くなる場所

家族介護者や認知症本人の憩いの場「認知症カフェ」が増えているが…

 高齢者介護の最も大きな課題は認知症への対応だろう。施設入所の理由として、第一番に上がるのは認知症のため家族との同居が難しくなったからだ。できるだけ長く自宅での生活を続けるために、「認知症カフェ」の活用が浮上している。

 認知症に関わるいろいろな悩み事の相談を受けることができるスタッフがいるカフェである。お茶を飲みながらリラックスして、という点が従来の福祉事業と違う。だからカフェなのだ。

 認知症の家族介護者だけでなく、認知症の本人が同行できるところも増えてきた。介護保険制度にはのらないため、運営費の確保が難しい中、志の高い地域のNPO法人が担い手として登場している。

 医師などから受ける専門的な写真説明では得られない日々の生活の中での適切な言葉使いや仕草などを学べる。介護者がお互いの体験を披露することで介護のヒントをつかめる。それによって認知症の家族介護者たちの精神的負担が軽くなる。

 国も1月に、新たな認知症の国家戦略「新オレンジプラン」を発表し、認知症カフェの開設に旗を振り出した。認知症者ができるだけ地域活動に参加し、社会的交流を続ければ、介護保険を利用する時期を遅れせることができる、という思惑からだ。財源難に陥っている介護保険制度を手助けすることになる。

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浅川澄一 [福祉ジャーナリスト(前・日本経済新聞社編集委員)]

あさかわ・すみかず/1948年2月東京都中野区生まれ。東京都立西高校から慶應義塾大学経済学部に。1971年日本経済新聞社に入社。小売り・流通業、ファッション、家電、サービス産業などを担当。87年に月刊誌『日経トレンディ』を創刊、初代編集長を5年間勤める。93年流通経済部長、95年マルチメディア局編成部長などを経て、98年から編集委員。高齢者ケア、少子化、NPO活度などを担当。2011年2月に定年退社。同年6月に公益社団法人長寿社会文化協会常務理事に就任。66歳。

 


医療・介護 大転換

2014年4月に診療報酬が改定され、ついで6月には「地域医療・介護総合確保推進法」が成立した。これによって、我が国の「医療」「介護」大転換に向けて、第一歩が踏み出された。少子高齢化が急速に進む中で、日本の社会保障はどう大きく変革するのか。なかなかその全貌が見えてこない、医療・介護大転換の内容を丁寧に解説していく。

「医療・介護 大転換」

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