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セールスは1分で決まる!
【第5回】 2015年7月27日
著者・コラム紹介バックナンバー
宮崎美千子

ホメて喜ばれるところにニーズがある

思い込みほど怖いものはありません。そして、その思い込みがセールスの機会をダメにしているのです。そんな端的な例が分かる著者の初めての販売体験を紹介します。なぜ、ぽっちゃりした女性は、スリミング商品に興味を示さなかったのか? そして、彼女はなぜ、ハンドクリームの商品に興味を持ったのか? 目からウロコのセールストークです!
7月17日発売『セールスは1分で決まる!』連載第5回。

人生で初めての販売体験でセールストークの極意をつかむ!

 「どうしたらお客様が商品を買ってくれるだろう?」

 東京・青山の化粧品会社に転職したばかりの頃、いろいろ考えましたが、その答えが見つかりませんでした。

 まずは経験に勝るものはないと、私は、会社のお昼休みに近所のOLさんに化粧品の販売をすることにしたのです。

 翌日のお昼休み、5分でおにぎりを食べて、化粧品を持って近くの会社へ。楽しいおしゃべりが目的なので、資料は持っていきません。会議室で3人ほどの女性がお弁当を食べていました。

 「こんにちは、宮崎です。ランチタイムの美容トークに参りました」

 「商品を売りに来た」というスタンスではなく、「退屈な昼休みに楽しい美容トークをしに来ましたよ」という態度で挨拶をしました。

 皆さんが興味を持っているスリミング商品の話だったので、私自身のダイエット失敗談から話し始めました。

 「私、『ダイエットの鬼』と呼ばれてきました。これまで数え切れないほど失敗しています。大学時代、りんごダイエットやゆで卵ダイエット、グレープフルーツダイエット、その子式ダイエット、あらゆるダイエットをして、何と最後に栄養失調で倒れ、アゴがパックリ割れたんですよ」
と、私はアゴに残っている4針の傷跡を見せました。

 「痩せるパジャマでアセモはできるし、痩せる鍼(はり)も打ち、ハリネズミにもなりました。本当にダイエットは大変なんですよ。もうこりごりと思っていたときに、この会社に入って、こんな商品があることにビックリしました」

 「今、話題になっていますよね。本当に効果あるんですか?」

 「私、化粧品なんかで絶対にスリムにならないと思っていたんですよ。でも自分の会社の商品だから使ってみたんです。そしたら、ムクミがスッキリ取れて、ふくらはぎがいつもより細くなっていてびっくりしました」

 「え〜、朝ムクミが取れるんですか?」

 「そうなんです。朝、顔もスッキリでしたよ。クリームは脚にしか塗ってないのに、不思議でしょ。身体の中の余分な水分が出ちゃったのかなぁ」

 私は、自分が商品を購入したときの消費者の目線で話しました。

 これが私の人生初の販売となりました。

 私は、自分なら何を知りたいか、何を言われたら欲しくなるかをそのまま皆さんに話しただけです。もちろん、全員が「欲しい」「使いたい」と言ってくれたわけではありません。昼休みに外部から「物売り」が来ることに反対していた人もいましたし、会議室にいるのに、まったく興味を示してくれない人もいました。

 特に、女性たちの中でも一番ぽっちゃりした女性が、です。

 「一番、スリミング商品を欲しいはずなんだけど」と不思議に思いながらいろいろ話をしましたが、暖簾に腕押し。

 何度も通ううちに、「この人は、自分の体形をまったく気にしていない」ということに気がつきました。まったく気にしていない人にスリミング商品の話をしても意味がありません。それでも会議室に来るということは、美容には興味があるはず。

 私はその人の手がとても白くてきれいだったのを思い出し、そのまま翌日、伝えました。

「手、きれいですね」

 これだけきれいな手をしているのだから、日頃から気を使っているに違いないと仮説を立てたのです。

 彼女の顔が、パッと笑顔になりました。

「そうそう、このハンドクリーム、手がシルクのようにすべすべになるんですよ」

 「ちょっと、つけてみていいですか?」

 「もちろんです。どーぞ!」
と、彼女の手にハンドクリームを乗せ、私の手にも乗せました。

 「こうして。爪のところにも丁寧にのばしてくださいね。指先まできれいになりますから」

 「うわ〜。すごくいいですね。これ、帰りに買いに行きますね」

 この経験は、私の人生において大きな衝撃でした。

 美容トークがうまくいったのは、「痩せる」ことに気を使っている人たちがいたからです。見た目はふくよかで、こういう人にニーズがあると確信していたのに興味を持ってもらえなかったのは、ただの「余計なお世話」だったからです。

 普段から散らかっているお庭の家に、ガーデンクリーニングの営業が行ったとしても、これもまた余計なお世話。

 日頃から庭の手入れに気を使っている家に行ったほうが、成功率は上がります。

 私の場合、たまたまきれいな手をホメたところ、急にお客様が前のめりになったのです。

ホメて喜ばれるところにニーズがある――それが、お客様が聞きたいことにつながっているのです。

POINT

思い込みで話をしてはいけません!
ホメて喜ばれる姿を見たら、
お客様のニーズはそこにあります!

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宮崎美千子 

 

1988年福岡大学法学部法律学科卒業。同年4月、福岡市内の建設会社に一般職で入社し、総務人事部配属となる。結婚とコスメの夢を求めて退職、上京し、91年、株式会社マンダムの子会社、株式会社ミック(当時)に転職。主にマーケティングと教育を担当し、入社6年目、31歳で広報兼マーケティング担当課長となる。話題のスーパーOLとして、女性誌の取材や講演の依頼が飛び込む。33歳で結婚退職、翌年長男を出産。37歳で離婚し、フランスの化粧品ブランドにマーケティングマネジャーとして再就職。2004年38歳シングルマザーでありながら、株式会社ビ・マジークを設立。
フランスのエステブランド『コラン』、スイスの『ビタクリームB12』と契約交渉し、日本独占販売権を取得。また、自社ブランド『コラボーテ』を開発し、輸出も開始。11年から『ショップチャンネル』に出演し、1時間で1億円以上稼ぎ、『ビタクリームB12』を世界42か国中、一番の売上(世界売上の40%)にする。
14年に、「宮崎美千子のビューティ・マジック!」(ラジオ日本)を担当し、メディア出演実績は「anan」「With」「SWEET」「女性自身」「美STORY」「edu」「Grazia」など。コスメ業界ではその名を知らない者はいない。また、「結婚」「離婚」「セールス」「起業」「経営」など、自身の経験に基づくユニークな考え方が評判になり、相談や取材、講演などが殺到している。
目白大学短期大学部特別講師(14年~)
愛媛県四国中央市ふるさとアドバイザー(15年~)
 

 


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