オンラインとオフラインを
混ぜた新たな教育の形

「中学校では一方的な講義形式にうんざりしていた。独学でも校内2番の成績を取り、学校に行く意味を感じなくなったが、今はやりたいことばかりなの」

 中国出身、ミネルバ大学1期生でコンピュータサイエンスなどを専攻する温柔嘉さんは、そう語る。

 この大学の特徴は、授業がオンラインで行われることにある。20人未満のセミナー形式で、画面内に学生と教授の顔が映り込むようになっている。「いつ当てられるか分からず、普通の授業よりも緊張感がある」と温さん。

 それも、評価が授業ごとに行われているからだ。教授からは授業中でもメッセージが送られてきて、すぐに評価を受ける。日々、力を試されているのだ。

 ただ、オンライン型授業がこの大学の本質ではない。特徴は、カリキュラムの約6割が“オフライン”のインターンシップや自発的な調査に充てられていることだ。

 温さんも金曜日となれば、サンフランシスコの街に飛び出て、オペラハウスやロボットコンテストなどに参加し視野を広げている。期末テストも2週間という期間の中、学生がこれまで学んできたことを生かしてプロジェクトを立案し、その成果を競い合っている。

 加えて、世界7カ所にある学生寮で仲間と共同生活を送ることで、国際感覚を養っている。にもかかわらず、学費はわずか年間1万ドル程度。生活費を含めても3万ドルに満たない安さなのだ。

 このような大学が誕生している中、世界的な大きな変化のうねりは日本をものみ込むことだろう。

創造性と社会的知能
を伸ばす教育

 先のオズボーン准教授は「我々の研究では、近い将来、とりわけ創造性と社会的知能にかかわる仕事においては自動化の恐れがないと確認している」と述べる。学校現場では果たして、未来を生きる子供たちに対し、機械にはできない仕事に就けるような視点での教育を行えているのだろうか。

 オズボーン准教授は続ける。

「学校教育の最善のアプローチは、どのような技術にも速やかに対応できるにしておくことだ。それには科学技術を介する以外の良い方法は思い当たらない」

 具体的には、世界の有名な授業が誰でもオンライン上で受けられるMOOCs(ムークス)の利用や、一人一人の生徒のニーズに応じて個別指導を行う”ロボット教員”の登用を挙げる。

 職業の機械化は、国境を越えてくる。10年後の社会を見据え、グローバルを意識した教育をしなければ生徒に明るい未来を授けられない。