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IoT、ドローン、3Dプリンタ…
ビジネスをテクノロジーが駆動する時代に
IT部門が果たす役割とは?

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第47回】 2015年8月21日
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デジタルビジネスの創出やITを活用したイノベーションへの期待が高まっている。前回(第46回)の「ITがビジネスに与える3大イノベーション」では、業種や事業に特化した領域でのIT活用をビジネスITと称して、その重要性とともに特性や要件について述べた。今回は、ビジネスITに取り組む際のアプローチと体制を考えてみたい。

ビジネスとITを結び付けるには

 ITインフラ、全社共通系およびコーポレート系システムといった業種を問わず共通に利用されるIT以外の、業種や事業に特化した領域でのIT活用をビジネスITと呼んでおり、昨今IoT、ビッグデータ、モバイルなどの技術進展により注目度を増している。3Dプリンティング、ドローン、ロボットなどのビジネス活用も含めて、ビジネス・テクノロジとして捉えられることもある。こうした先進技術を自社の本業分野に活かしたり、新規ビジネスの創出に活用しようとする取り組みが活発化している。

 もちろん、これまでも製造業の生産現場、小売業の店舗や物流分野などビジネスの最前線でのIT活用は進められてきた。しかし、あらゆる分野で進行するデジタライゼーションの潮流により、その動きが一気に加速し始めている。先駆的な企業は、こうしたデジタル技術を活用して、ビジネスモデルの転換、所属業界の枠を超えた異業種への参入、業界横断的事業や新業態の創出などに果敢に挑戦している。

 IT業界も、医療、交通、エネルギーといった社会基盤のデジタル化にビジネス機会を見出そうとしており、一般の企業においても自社ビジネスでのデジタル技術の活用に本腰を入れ始めている。

 しかしながら、これまで企業のIT部門は全社共通系のシステムを中心とした領域をカバーするにとどまり、ビジネスITの領域には十分に踏み込んでこなかった。一方、ビジネス部門は事業や業務に精通しているもののITの専門知識を持っているわけでないため、局所的な利用に留まっていた。すべてがデジタルでつながる時代となった今日においては、ビジネスとITを有機的に結び付けることが求められているが、そのプロセスや体制が整っている企業はいまだ少数派と言わざるを得ない。

 まずは、ビジネスITの領域における活用のアイデアを創出する方法について考えてみよう。

 これまでは、ビジネス上の課題やニーズに対して、その解決策および実現策としてITを当てはめるという「課題解決型」のアプローチが主流であった。ERPの導入や経営管理の見える化の取組みの多くはこれに当てはまる。また、新技術の台頭を受けてビジネスへの適用を検討する「シーズ提案型」の場合も考えられる。

 例えば、無線ICタグ(RFID)の低廉化という技術シーズを受けて、倉庫での資材の棚卸しへの活用を検討するといった取り組みが考えられる。さらに今後は、事業やITの環境変化や将来動向を予見して、それらを結び付けることで生み出される新規事業の創出やビジネスモデルの転換を実現するアイデアを創出するアプローチもある。ビジネスIT領域のイノベーションの創出においては、この「アイデア駆動型」が有効な場面が多いと考えられる(図1)

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内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。現在は大手ユーザー企業のIT戦略立案・実行のアドバイスおよびコンサルティングを提供する。


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日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

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