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実例で知る! 他人事ではない「男の離婚」 露木幸彦

妻と間男に傷つけられた息子の心
憎しみの夫が取った行動は?(下)

露木幸彦 [露木行政書士事務所代表]
【第11回】 2015年8月29日
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>>(上)より続く

妻の身勝手な行動のせいで
息子の心は崩壊していた…

 「あとで分かったことですが…」

 健太郎さんはそう言い添えた上で、息子さんから聞いた話をまとめてくれました。妻の潜伏先は実家近くのアパートの一室。そこは真夏なのにクーラーも設置されていない劣悪な住居環境だったようです。妻は健太郎さんに一言もなくアパートを契約し、「帰省するから」という理由で最低限の荷物だけ持ち出し、子どもたちを実家近くの小学校、幼稚園に無断で転校させていたことが明らかになったのです。

 このように「妻の離婚計画」のせいで、息子さんは今まで通い慣れた小学校、仲の良かった友達、そして信頼している先生を奪われ、新しい小学校への転校を余儀なくされたのです。

 息子さんにとって実家近くの小学校は縁もゆかりありませんが、新しいクラスに馴染めなかったようで、同級生たちにからかわれたり、無視をされたり、私物を隠されたりして、いわゆる「イジメ」に遭っていたのです。それでも最初の2週間は我慢して何とか登校していたのですが、イジメの程度はどんどんエスカレートしていき、最終的に同級生がよってたかって息子さんを殴る、蹴る、物を投げつけるなどの「集団暴行の被害」に遭ってしまったのです。

 こうして息子さんにとって、小学校はもはや危険極まりない場所と化したのです。2日に1回しか登校できず、また何とか登校できたとしても、イジメの悪夢を思い出してしまい、心身ともに支障をきたし、最後まで授業を受けることは難しく、途中で1人で下校せざるを得ない状況に追い込まれたのです。

 さらに担当医師の診断によるとLD(=学習障害)を発症した可能性が高いようで、そのせいで普通学級には通うことができず、支援学級へのクラス替えを余儀なくされたのです。専門の精神ケアの先生なしには授業を受けることが難しくなり、その小学校には平日しか子ども専門の精神科医がいないので、息子さんの心理状態は改善するどころか、ますます悪化していくのは当然のことでした。

 食事が喉を通らず、夜もほとんど眠れない生活が続いており、ストレスに苛まれ、体はやせ細り、心は不安定になっていき、最終的には小学校に足を向けることすら難しくなり、完全に不登校の状態に陥ったのです。

 「きちんと三食を摂って、決まった時間に就寝して、何の問題もなく小学校に通っていたんです」

 健太郎さんは夏休み前の息子さんの様子をそう振り返りますが、今の状態はあまりにも深刻だということが痛いほど分かります。

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露木幸彦[露木行政書士事務所代表]

つゆき・ゆきひこ/行政書士、フィナンシャルプランナー。1980年生まれ。国学院大学卒。男性の離婚相談に特化した行政書士事務所を開業し、開業から6年間で有料相談件数7000件、法律文書作成900件を達成。公式サイトは1日訪問者3300人、会員数は1万3000人と、業界では最大規模にまで成長させる。2008年よりドコモ、au、ソフトバンクの公式サイトで法律監修を担当。四半期に一度、大相談会を開催している。主な著書に『結婚貧乏~結婚してはいけない人を避ける方法』(中央公論新社)、『離婚のことばハンドブック~今すぐ解決したい人のキーワード152』(小学館)、『男のための最強離婚術』『男の離婚 賢く有利に別れるための6つの成功法則』(共にメタモル出版)などがある


実例で知る! 他人事ではない「男の離婚」 露木幸彦

昨今の離婚事情は複雑化している。夫が借金、浮気、暴力を繰り返して妻に愛想を尽かされるという「昭和型離婚」ばかりでなく、足もとでは「草食系離婚」も急増している。妻が多重債務、不倫、ヒステリーなどを繰り返し、真面目で優しい夫がそれに絶えられなくなって離婚を決意するというパターンだ。そうしたなか、離婚トラブルで悩み悶える男性が増えている。一度離婚トラブルに発展すると、男性は多くの精神的・物理的な負担を強いられる。到底納得できない理不尽な離婚トラブルに意図せず巻き込まれた場合に備えて、普段から対処法を考えておくことは必要だ。「男性の離婚相談」に特化し、数多くの相談実績を誇る行政書士の露木幸彦氏が、毎回実例を挙げながら、男性が陥り易い離婚トラブルへの対処法を指南する。読まずに泣くか、読んで笑うか――。現在離婚トラブルで悩んでいる人もそうでない人も、「他人事ではない男の離婚」について考えるための参考にしてほしい。

「実例で知る! 他人事ではない「男の離婚」 露木幸彦」

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