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野口悠紀雄 新しい経済秩序を求めて

IoTの普及には、ビットコイン技術の応用が不可欠だ

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第28回】 2015年9月10日
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IoTへの注目度は高いが、その実現・普及には多くの困難がある

 IoT(モノのインターネット)によって、製造業の生産性を高めることができると期待されている。政府の成長戦略も、この方向を追求すべきだとしている。

 しかし、IoTを実際に導入するにはさまざまの困難な問題があると、IBMのレポートは指摘している。それらの問題を解決するには、ビットコインの基礎技術である「ブロックチェーン技術を使うことが不可欠」とIBMの研究者は考えており、具体的な実験プロジェクトを推進している。

ブロックチェーンを用いる
IBMのIoT実験

 IBMとサムスンは、「ビットコイン技術を用いるIoT」という考えに基づいて、冷蔵庫のホームオートメーションの実験を行なっている(これに関する解説は、IBMのサイトCoinDeskのサイトなどにある)。

 この試みは、ADEPTと呼ばれる(ADEPTは、Autonomous Decentralized Peer-to-Peer Telemetry:自律分散型P2P遠隔通信プロセスの略称)。

 順序は逆になるのだが、まずこの取り組みの具体的な内容を最初に紹介しよう。そして、なぜこうした方式が必要かを、その後で説明する。この順のほうが理解しやすいだろう。

 IBMの研究者たちは、サムスンの洗濯機W900を用いてつぎのような実験を行なった。これは、つぎの3つの仕事を、ブロックチェーン技術を用いて自動的に行なうものである。

(1)自動メンテナンス

 洗濯機の部品を監視する。故障が検知された場合、保証の情報を参照し、修理エンジニアに部品交換に来てもらう発注作業を行なう。これらをブロックチェーンを通じて、人手を介さずに自動的に行なうのである。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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野口悠紀雄 新しい経済秩序を求めて

アメリカが金融緩和を終了し、日欧は金融緩和を進める。こうした逆方向の金融政策が、いつまで続くのだろうか? それは何をもたらすか? その先にある新しい経済秩序はどのようなものか? 円安がさらに進むと、所得分配の歪みはさらに拡大することにならないか? 他方で、日本の産業構造の改革は遅々として進まない。新しい経済秩序を実現するには、何が必要か?

「野口悠紀雄 新しい経済秩序を求めて」

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