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金融市場異論百出

日本円から教訓を学ぶ中国当局
人民元切り上げはガス抜き程度

加藤 出 [東短リサーチ取締役]
2010年4月14日
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 最近、中国の当局やエコノミストのあいだで、為替レートに関する日本の経験の研究が再びブームになっている。有力経済誌「財経」(3月29日号)にも、人民銀行金融政策委員会新委員になった夏・国務院発展研究センター金融研究所所長の「日本円の教訓を再考する」という論文が載っていた。

 先日、中国に出張した際に面談したある官庁系エコノミストは「日本政府が円高を許容したことが、バブル崩壊後の日本経済の低迷の最大の要因だと考えている」と話していた。

 上海の銀行の著名エコノミストも「日本が為替レートをフロート化させてから、賃金の上昇率が鈍化した。日本もそうだったが、中国も輸出型経済からの構造調整は容易ではない。人民元の切り上げは慎重に行うべきだ」と語っていた。

 彼らの目には、日本政府が米国と一緒になって人民元切り上げを中国に要求してくる姿は、やや奇妙に見えるようだ。むしろ内心、「円安誘導をやればよいのに」と見ている可能性がある。

 中国の経済官庁は、米国からの人民元切り上げ要求に対して、一般的に、次のような反論を示す傾向がある。

 第1に、中国から米国への輸出は、労働集約型の低付加価値の商品が依然として多い。仮に人民元を大幅に切り上げたら、米国の小売り販売店は、コストが安い国からの輸入を増やそうとするだろう。よって、人民元を切り上げても、米国の貿易収支、雇用は改善しない。

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加藤 出 [東短リサーチ取締役]

東短リサーチ取締役チーフエコノミスト。1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを 2001年まで兼務。2002年2月より現職。 2002年に米国ニューヨークの大和総研アメリカ、ライトソンICAP(Fedウォッチ・シンクタンク)にて客員研究員。マネーマーケットの現場の視点から各国の金融政策を分析している。2007~2008年度、東京理科大学経営学部非常勤講師。2009年度中央大学商学部兼任講師。著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、2001年)、「新東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、2002年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(ダイヤモンド社、2004年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、2006年)。


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