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ツイッターのCEOは創業者のドーシー氏で決着
再び成長軌道に乗れるのか?

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第362回】 2015年10月9日
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経営陣が迷走するなかで成長は鈍化

米国サンフランシスコにあるツイッター本社が入るビル Photo by Noriko Takiguchi

 ジャック・ドーシー氏が、ツイッターのCEOとして返り咲くことになった。ドーシーは、今年6月に当時のCEOディック・コステロが職を降りてから、暫定CEOとして同社を率いてきた。いや、それ以前にドーシーはそもそも、ツイッターを共同創設した4人の1人で、創設間もない時期に一時CEOを務めたこともあった。

 ツイッターは、2006年の創設以来経営陣が変動してきたことで知られる。共同創設者の間の仲間割れによるトップ争いが起こり、同社の急成長期は社内が動揺していた時期でもある。2010年にコステロがCEOに就いたころから、組織面での安定は得られたが、140字でツィートするというサービスの次のビジネスモデルの模索が続いた。急成長を遂げるフェイスブックも、手強い競合となった。

 模索が続くうち、ツイッターの成長率は鈍化した。今年6月時点のユーザー数は3億1600万人。だが、前四半期からの成長率は2.6%でしかない。競合フェイスブックは現在、ユーザーを15億人にまで膨らませている。

 同時に、ツイッターでは何100万人ものユーザーが離れていったとされているが、それは、次から次へと大量のツイートが流れていくそのしくみが「わかりにくい」「使いにくい」という悪評につながったからだ。フェイスブックのように友達の間で情報交換できるしくみと違って、安心できないのだ。

 こうした状況の中、さてドーシーが帰還することによって、ツイッターは息を吹き返すのだろうか。

 懸念されているのは、ドーシーがツイッター専任でないという事実だ。ドーシーは、ツイッターから離れていた2009年に、スクウェアという新しいクレジットカード処理方法を提供するサービスを立ち上げ、現在もCEOを務めている。競争の激しいテクノロジー業界で、2つのスタートアップでCEOを兼務することなど、いったい可能なのか。

 もう1つの懸念材料は、かつてドーシーがツイッターのCEOを務めていた時の仕事ぶりだ。仕事よりも、ヨガやファッションなどの趣味に走り、マネージメントは最悪。結局、ボードメンバーから解任されたほどだ。その当時は数十人だった社員は今では4000人を超え、支社も利用者も世界中に広がっている。ビジネス立て直しの必要性に直面しているツイッターをまとめていく力があるのか。これが、ドーシーの能力を疑問視する人々の見方である。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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