発想力のあるヒト・ないヒト比較:比べる編

 突然ですが、下のイラストを見て下さい。あなたは比べる発想力のあるヒト、ないヒトどちらのタイプでしょうか?

〔出所:『発想力の全技法』(2015)〕

発想は「発散と収束」からは生まれない

発想のプロセスは大抵が「発散と収束」です。ブレーンストーミング等でアイデアを出し(思考の発散)、結論に向けてまとめる(収束)、というプロセスを信じて、皆が議論を重ね、合意形成のための議論を重ねます。

 しかしその膨大な時間は、ほとんど徒労に終わります。自分の頭に頼っているだけの「ブレスト的発散」では、不十分だからです。

 そこには発見する力、発見する方法論が必要です。世の中に溢れる情報や自分で経験するさまざまな事象から、面白いアイデアを見つけ出す。その「発見」の力こそが大きな発想につながっていきます。

 もう一つの問題が「収束」を目的としたディスカッションです。

 KJ法でもそうですが、せっかく面白いアイデアがあっても、ヒトはグルーピングという作業の中で、それらのトンガリを落とし、丸めていってしまいます。グルーピングとは共通項を探すことですから、カード3枚を集約すれば、そのグループの名前はそれらの最大公約数にならざるを得ません。

 そうではなく、100のアイデアが出たなら、そこから一番尖ったものをひとつだけ選び、それを深掘り分析して本質を見極め、そこから拡げ組み合わせて新しいアイデアを創り上げることなのです。

 下手にグルーピングなど、しないこと。発見し、選択し、探究し、組み合わせる。それが正しく発想するためのステップです。発散と収束、ではありません。