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シュリンク業界で生き残れるか?~構造不況の迷宮で再起を図る人々 吉田典史

餅つき機が6倍、かき氷製造機が7倍に販売数アップ
シュリンクを脱して大統領夫人も訪れる有名店に!
下町の商店街で世界を狙う料理道具店の秘策と野望

――浅草かっぱ橋通りの「藤田道具」店主・藤田雅博さんのケース

吉田典史 [ジャーナリスト]
【第9回】 2012年10月30日
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 連載第9回は、都内の下町で3代続く料理道具販売店の店主を紹介する。40代前半でありながら、経営者として十数年の経験を持つ。業績が伸び悩む中、インターネットを使い、シュリンク状態を抜け出そうとしている。その顛末は……。

 なお、本人の了解により、今回も実名でお伝えすることをお断わりしておく。

 あなたは、生き残ることができるか?


今回のシュリンク業界――料理道具販売

 業務用の料理道具や、外食店などの厨房、さらにそれに関する道具などを販売する。今回の取材の舞台となる小規模店が、多数ひしめく業界でもある。それだけ、不況の影響を受けやすい。個人商店の場合は、後継者が不足しているのも根深い問題。こうした状況下で、開業、廃業、倒産が繰り返される。

 矢野経済研究所のリサーチによると、2011年は東日本大震災と原発事故への不安が、個人消費や外食産業を中心とした設備投資需要に大きく影響を与えたという。それにより、料理道具販売店も苦戦を強いられたが、現在は業務用厨房市場は緩やかに回復の兆しを見せている。しかし、売上の減少トレンドや後継者不足など、構造的な問題は解決していない。


シュリンク状態は不況心理がつくる
3代目店主が指摘する「商店の明暗」

 「上手くいかないのは、景気が悪いからではないと思う。この通りでも売上が上がっているお店はありますから……。上手くいっていないところは、景気のせいにして安心している。ただ、それだけのこと。始めから、業績をよくしようとはきっと考えていない……」

 藤田道具株式会社代表の藤田雅博さんは、やや強い口調で答えた。業績が伸びる店とそうでない店の経営者の考え方について、尋ねたときだった。

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吉田典史 [ジャーナリスト]

1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006 年からフリー。主に人事・労務分野で取材・執筆・編集を続ける。著書に『あの日、負け組社員になった・・・』『震災死 生き証人たちの真実の告白』(共にダイヤモンド社)や、『封印された震災死』(世界文化社)など。ウェブサイトでは、ダイヤモンド社や日経BP社、プレジデント社、小学館などで執筆。


シュリンク業界で生き残れるか?~構造不況の迷宮で再起を図る人々 吉田典史

「働いても働いても、生活が楽にならない」。それは気のせいではない。日本の多くの業界は今、先が見えない「構造不況」の暗闇の中にいる。シュリンクする業界で働く人々にとって、業績アップ、収入増、労働環境の改善などを目指すことは難しい。しかし、そんななかでも、他人と違うアイディアを考案したり、誰も気づいていないビジネスを見出すことで、必死に生き延びようとする人はいる。この連載では、シュリンク業界で絶望し、起死回生を図るビジネスマンや個人事業主の生の姿を描くことを通じて、私たちがビジネスで心得るべきヒントや教訓を考えていく。

「シュリンク業界で生き残れるか?~構造不況の迷宮で再起を図る人々 吉田典史」

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