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三谷流構造的やわらか発想法

こんなときどうする?~営業編(続々)

三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]
【第8講】 2011年5月17日
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『CRM』をどう提案したのか!

 前回前々回と、営業の現場で求められる発想を見てみました。

・A 相手を目の前にしての会話 → 大きな質問(日米半導体摩擦とか…)には、更に高いトリの視点と天の邪鬼の視点で即座に切り返す
・B みなが集まる会議での発言 → 「要はどういうことか?」には面白い(短い)例え話やキャッチフレーズを事前に準備する
  そして、最難題の「新商品の新規顧客への売り込み」での発想については『あかり安心サービス』を題材に、
「タイミング」「経営ニーズ」で顧客をセグメンテーションする
パブリシティで顧客を惹きつけ流通や社内の壁を崩す

 といった大胆な発想と行動を学びました。

 そしていよいよ、営業編の最終回として、C提案書作り、について考えましょう。

 まずは『CRM』のお話から。

 Customer Relationship Managementの略で、日本語に訳せば「顧客関係性管理」です。なんだかよくわからない概念です。

 私はこのCRMに、アクセンチュアに転職して3年後の99年に出会い、数年間おつき合いすることになりました。

 まだ日本でほとんど知られておらず、それを提案する会社もない状況からのスタートでした。でも『CRM』なるものをコンサルティング商品にし、売り込むために、そこから数年間、営業・マーケティング面でやったことは単純です。

・『CRM』という本を出し、雑誌に記事を書く
・ITや経営系のイベントで講演する
・クライアントを集めてCEO/CIOセミナーを開催する
・提案書を書きまくる

 企業向けのコンサルティング提案とひと言にいっても、規模的にも内容的にもさまざまです。コンペになり、勝ったものもあれば負けたものもあります。かなり高い買い物なので「普通の」提案書では、もちろん通りません。

 お客さんから「良い提案書だった」と言っていただけたとき、そこで共通していたことはなんだったでしょう。

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三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]

1964年大阪生まれ、福井育ち。小1のとき読書と読みかじりを人に教える快感に目覚め、駿台予備校では教えることの技術に衝撃を受ける。東京大学 理学部物理学科卒業後19年半、BCG、アクセンチュアで戦略コンサルタントとして働く。2003年から06年までアクセンチュア 戦略グループ統括。途中、INSEADでMBA修了。
2006年から教育の世界に転じ、社会人教育と同時に、子どもたち・親たち・教員向けの授業や講演に全国を飛び回る。「決める力」「発想力」と「生きる力」をテーマに毎年8000人以上と接している。現在K.I.T.(金沢工業大学)虎ノ門大学院 主任教授(MBAプログラム)の他に、早稲田大学ビジネススクール、グロービス経営大学院、女子栄養大学で客員教授、放課後NPO アフタースクール及びNPO法人 3keys 理事を務める。永平寺ふるさと大使。
著書多数。『一瞬で大切なことを伝える技術』(かんき出版)は啓文堂書店2012ビジネス書大賞、『経営戦略全史』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)はダイヤモンドHBRベスト経営書2013第1位、ビジネス書大賞2014大賞、『ビジネスモデル全史』(同)はHBRベスト経営書2014第1位となった。
HPは www.mitani3.com

 

 


三谷流構造的やわらか発想法

発想法ってなんのために存在するのでしょう? ヒトと違うアイデアや答えを出すためです。統計的に有意な戦略なんて、定義により無価値ですし、統計的に正しい発想法なんてあるわけがありません。発想に「普遍性」や「高確率」を求めるなんてそもそも矛盾しているのです。発想法も、然り。これまでと違うものを生み出すには、新しい発想法がいま求められているのです。

「三谷流構造的やわらか発想法」

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