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イオン九州が自転車専門店を出店

独自のサービスパックを開発、自転車人気の追い風に乗れるか

ダイヤモンドホームセンター
【第12回】 2010年5月20日
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「イオンサイクルショップ石丸店」外観。自転車を扱っていることがわかるよう、大きな自転車のファサードをつけた

 イオン九州(福岡県/岡澤正章社長)は、今年1月26日に自転車専門店の「イオンサイクルショップ石丸店」をオープンした。同社が運営する総合スーパー(GMS)のジャスコとサティ、HCのホームワイド、スーパーセンターにおいて自転車の売上が順調に伸びており、単独で出店しても売上が見込めることから、新たな業態としての出店となった。

 現在、同社のGMSの自転車売場は約200平方メートルだが、「売上は毎年30~40%の伸びを見せており、修理の依頼も増えている」とサイクル事業部の内藤愼吾事業部長は話す。石丸店は福岡市地下鉄「姪浜」駅から徒歩15分にあり、半径5キロメートルに約30万人が住む。博多駅を中心とする福岡都市圏にあり、通勤・通学に自転車利用の多いエリアだ。学生や子どもが多いことは自転車専門店にとって重要で、使用頻度が高いため修理依頼が多く、子どもの場合は成長に伴い買い替えが期待できるという。

通路を広く確保した店内。子ども用の自転車なら、その場で試乗ができる

 店舗は書店が撤退した物件に居抜きで出店した。出店経費を抑えるため居抜き出店と、既存GMSの自転車売場を改装してショップ化することが基本戦略となる。店内にたくさんの自転車を展示し、通路が狭くて歩きにくい自転車専門店が多いが、こうしたイメージを払しょくするため、通路幅は最低でも150センチメートルを確保し、子どもが店内でも試乗できるようにした。「ゆったりと買い物ができるGMSの自転車売場のイメージをそのまま持ってきた」(内藤事業部長)。

 店内には約400台の自転車を陳列するが、狭苦しい印象はまったく受けない。大人向けのファミリー・シティ車が4割、子ども向けのジュニア・キッズ車が2割、スポーツ車が2割という構成だ。現在は自転車整備士の資格を持ったGMSとホームワイドの社員で運営しており、人材配置やワークスケジュールなどのモデルを構築している最中だ。「社員1人、パート・アルバイト5~6人で運営できれば理想的」(内藤事業部長)。商品仕入れはGMSのバイヤーが担当しており、パーツ構成をグレードアップした専門店モデルの導入も検討している。

 専門店では物販だけでなく、充実したアフターサービスが要求される。わかりやすく、利用しやすいサービスを提供するため、新たに「イオン安心サポートパック」(自転車購入日から2年間2700円)を導入した。購入すれば定期点検(部品交換は有料)のほか、修理代金10%割引、部品・用品10%割引、防犯登録のサービスが受けられる。また、前ブレーキのワイヤーやチェーン調整、各部の注油など5項目の点検サービスを500円で行う「ワンコイン点検」も始めた。即時対応可能で、時間がかかる場合は、代替自転車も無料で貸し出すという。

 健康だけでなく、環境の面でも自転車への注目は高まっている。団塊世代や若者の間でもスポーツ車の人気が広がっており、スペックの説明だけではなく、最低限のマナーも教えていきたいという。「イオンのブランド力を生かし、初心者が気軽に来店してもらえるような敷居の低い専門店をめざす」(内藤事業部長)。

 石丸店に続いて、今年3月には福岡県大野城市と、北九州市戸畑区の戸畑サティ内にサイクルショップをオープン。今年末には5店舗体制となる見込みで、2015年2月期までに、九州エリアに30店の出店を計画している。社内には自転車専任の社員やスタッフが約400人いるため、人材が足らなくなる心配はないという。


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