「ヘンタイ美術館」とは、美術評論家・山田五郎さんを館長、ズブの西洋美術シロウト・コピーライターこやま淳子さんを学芸員見習いに見立てた架空の美術館。美術に興味はあるけれどどこから入っていいのかわからない、という方々に向けた、西洋美術の超入門・連載です。こちらの連載では、書籍『ヘンタイ美術館』からピックアップしてお届けします。第1回は、モネです。

新しいものはディスられる!?<br />モネ・印象派の誕生。クロード・モネ写真 1899年、ナダール撮影

山田 印象派という呼び名の由来になった『印象・日の出』という作品を描いたのが、ご存じモネ。この人です。

こやま なんというか、芸術家っぽい方ですね。

山田 モネというとこの晩年の白ヒゲはやした写真が有名ですが、実は若い頃はこんな感じだったんすよ。
けっこう攻めてる感じでしょ。


新しいものはディスられる!?<br />モネ・印象派の誕生。クロード・モネ写真 1860年、カルジャ撮影

こやま 本当だ。イケメンですよね。

山田 意外にも、強めのイケメンだったんですよ。モネはマネの8歳下で、1840年生まれ。生まれたのはパリですが、5歳のときからルアーブルという港町で育っています。マネみたいにお金持ちのボンボンではなく、実家は街の雑貨屋さん。

こやま 庶民だったんですね。

山田 そう。庶民階級の出身で、高校を中退して地元で絵を描いていた。モネの運がよかったのは、当時ルアーブルにはウジェーヌ・ブーダンっていう海の景色を得意とする画家がいたってこと。モネはそのブーダンに認められ、外の光で絵を描くことを教わるんですよ。

こやま そこが原点だったんですね。