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コリア・ITが暮らしと経済をつくる国

マイナンバーってそんなに怖いもの?

韓国では半世紀前から国民生活に浸透

趙 章恩 [ITジャーナリスト]
【第1回】 2015年12月18日
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国民生活にITが浸透している韓国では、行政サービスや商取引などであらゆる手続きの効率化が進んでいる。それは、国にどんな利益をもたらしているのか、日本とは何がどう違うのか。そうした視点から、今回と次回は、日本が先ごろ導入を決めた「マイナンバー」を例に挙げ、韓国の「住民登録番号」と比較しながら、その可能性を展望してみよう。

なぜ、マイナンバーへの
不安が大きいのだろう?

IDcard日本でも導入されたマイナンバー制度。韓国のような電子政府化が一気に進むか(C)pixta_18098112

 今年、日本でマイナンバー制度が導入されたことが、韓国でも大きな話題になっている。

 韓国メディアは「日本政府が日本版住民登録番号である『マイナンバー』を導入した」と連日のように報道し、日本の「マイナンバー」と韓国の「住民登録番号」は何が違うのかについて比較する特集まで組んでいた。

 韓国では1968年から、住民登録番号を記載した「住民登録証」を全国民に発行している。韓国のソーシャルメディアやネットニュースのコメント欄では、「プライバシー侵害に敏感な日本で国民総背番号制とは意外」という書き込みが目立った。

「マイナンバー制度に対してどんな不安がある?」―― Yahoo! Japan ニュースの「意識調査」で、こんなタイトルのアンケートを見つけた(実施期間:2015年10月27日~11月6日)。

 10月から通知が始まったマイナンバーに対して、不安に思うことは何かを選んでもらうアンケート調査だったが、1位は「マイナンバーにひも付いた個人情報の流出の恐れ」33.1%、以下、「国によって個人情報が管理され、監視される恐れ」31.5%、「マイナンバーの不正利用による『なりすまし』被害」20.8%、「制度に便乗した詐欺などの被害」6.0%と続く。

 たしかに、個人情報流出への懸念は分かるが、実に30%以上の人が、「国に監視される恐れがあるので不安」と答えたのには驚いた。日本の報道でも、そもそもなぜ、マイナンバーが必要になったのかという話よりも、「不安」「怖い」「情報漏えい」といった側面が目立っているように感じられる。

 日本のマイナンバーは、社会保障、税、災害対策の分野において、個人情報と個人番号をひも付けて効率的に情報の管理を行い、さらに、複数の機関にある個人情報が、同一人物のものであることを迅速かつ確実に確認するために導入された。

 住民登録番号による手続きが当たり前の国で暮らしていた私には、マイナンバー導入は、国による行政サービスの効率化が目的であることが、忘れられているかのようにすら思える。

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趙 章恩 [ITジャーナリスト]

ちょう・ちゃんうん/韓国ソウル生まれ。韓国梨花女子大学卒業。東京大学大学院学際情報学修士、東京大学大学院学際情報学府博士課程。KDDI総研特別研究員。NPOアジアITビジネス研究会顧問。韓日政府機関の委託調査(デジタルコンテンツ動向・電子政府動向・IT政策動向)、韓国IT視察コーディネートを行っている「J&J NETWORK」の共同代表。
IT情報専門家として、数々の講演やセミナー、フォーラムに講師として参加。日刊紙や雑誌の寄稿も多く、「日経ビジネス」「日経パソコン(日経BP)」「日経デジタルヘルス」「週刊エコノミスト」「ニューズウィーク」「リセマム」「日本デジタルコンテンツ白書」等に連載中。韓国・アジアのIT事情を、日本と比較しながら分かりやすく提供している。


コリア・ITが暮らしと経済をつくる国

韓国の国民生活に、ITがどれほど浸透しているか、知っている日本人は意外に少ない。ネット通販、ネットでの納税をはじめとする行政サービスの利用、公共交通機関のチケットレス化は、日本よりずいぶん歴史が古い。同時に韓国では、国民のIT活用に対する考え方が、根本的にポジティブなことや、政府が規制緩和に積極的で、IT産業を国家の一大産業にしようとする姿勢などが、IT化を後押ししていることも事実である。

一方の日本は、どうして国を挙げた大胆なIT化の推進に足並みがそろわないのか。国民生活にITが浸透している韓国の先行事例を見ながら、IT化のメリットとリスクを見極めていく。

「コリア・ITが暮らしと経済をつくる国」

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